医学部受験で面接なしの大学は存在する?

医学部受験で面接なしの大学は存在する?医学部受験で面接を課す理由も解説

大学受験の中でも、最難関であると言われる医学部受験。

その最難関であると言われる所以には、「面接」の存在があることが一つ挙げられます。では、医学部受験において「面接の存在しない」大学は存在するのでしょうか?

今回は、そんな疑問を徹底検証するとともに、実際の医学部受験における面接試験の攻略法も提示していきます。

1.医学部受験で面接なしの大学は存在するのか?

医学部受験が難関であると言われる理由の一つに面接試験があるということが挙げられますが、逆に言えば「面接試験がなければ」医学部受験は難関であるとは言えないはず。

したがって、医学部受験において面接試験の存在しない大学はどれくらいあるのか、ということを調査してみました。

(1)結論:存在しない

結論から言いましょう。

現状、医学部受験において面接試験を実施していない大学は一校もありません。

つまり、非常に残酷な話になりますが、医学部受験を突破するにあたって、面接試験というものは必須であるということになるわけです。

(2)かつては面接なしの医学部も存在していた

過去に遡ってみると、実際に面接試験の無い医学部も存在していたことが判ってきました。

例えば、一番いい例が東京大学の理科3類でしょう。

東京大学は1999年から、「受験生の医学に対する意欲」を確かめるべく面接試験を導入。

2007年には一転して「面接試験は導入しない」という方向性に変わりましたが、2018年に再び「面接試験を実施する」という方針に転換しました。

つまり、直近では2007年から2017年までの間は東京大学医学部(理科3類)に入学するためには面接が必要なかったことになります。

では、何故東京大学は面接試験を再び導入することにしたのでしょうか?

その理由は、「医療に意欲を持たない人間が増えた」ためです。ご存知の通り、東京大学医学部は日本の大学における最高峰として世間には認知されています。したがって、受験勉強しかできない「医療に興味を持たない生徒が増えたため」であると考えられます。

他にも、九州大学は2020年の直近で初めて面接試験を導入したことで知られています。この2020年2月までは面接試験を行わない医学部が存在していたということになります。

したがって、2020年2月をもって、全国で面接が存在しない大学というのはなくなったことになります。

2.なぜ医学部受験では面接が要求されるのか?

では、なぜこうまでも全国の医学部で「面接試験」が導入されているのでしょうか?

その理由は具体的に以下の三つがあります。

  1. 本当に医学部に入りたい受験生だけを受からせるため
  2. 医師になる覚悟があるか見極めるため
  3. 人間性/コミュニケーション能力の確認のため

それぞれ、順を追って解説していきます。

(1)本当に医学部に入りたい受験生だけを受からせるため

まずは、「本当に医学部に入学したい人間」だけを受からせるためです。

先ほどの東京大学の例でも挙げた通り、日本における医学部受験というものは最難関の一つであると認識されています。したがって、ある程度成績が高い層がこぞって医学部を目指すという現象が起こってしまいます。

するとどうなるかといいますと、「本当は医学部に行きたくなかったのに賢いからという理由だけで医学部に入った」という生徒が一定数出てしまうことになります。

つまり、医学に一ミリも興味がないのにもかかわらず医学部に入ってしまったということですから、入ってからも勉強は振るわず、やる気をなくしてしまうことも多いです。

大学側はそういった「本当は入りたくなかった」医学生を減らすために、しっかりと面接試験を行っているということになります。

(2)医師になる覚悟があるか見極めるため

もう一つの理由が、「医師になる覚悟」があるかを見極めるためです。

医学部に入学すると、ほぼ100%例外なく「医師免許」を取得することになります。つまり、「医師として」働くことになるわけですが、前項でも説明した通り、面接を実施しない場合には「医師として働きたくない」生徒が増えてしまうことになります。

すなわち、中途退学や留年数が増えてしまうわけで、大学側としてはできるだけこの人数を減らしたいという考えに至ります。

したがって、その受験生が本当に医師になる覚悟があるのかどうかということを確かめるために、面接を行っているということになります。

(3)人間性/コミュニケーション能力の確認のため

また、医師になるためには、臨床医であろうが研究医であろうがその他のも道に進もうが「患者と意思疎通をする」という壁を確実に乗り越えなければなりません。

そのためにやはり一番手っ取り早いのは、コミュニケーションがきちんととれる人間を入学させるということです。コミュニケーションができるかどうかを見極めるために、各大学は面接試験を導入していると言えます。

3.どうすれば医学部の面接試験を突破することができるのか?

では、どうすれば医学部受験における面接試験を突破することができるのでしょうか?

これまで説明してきた、「面接試験導入の理由」に基づいて解説していきます。

(1)自分が本当に医学部に入りたいのか確認する

最初に確認すべきは、自分が本当に医学部を目指したいのか、入ってからもきちんと医師として働く志があるのかということでしょう。

もちろん、これに関しては本人以外には分かりませんから、受験生本人が自分でしっかりと考えて決めることが重要です。

もしも、「自分は、本当は医学部に行きたくないのに」と少しでも思った場合は、面接試験で必ず粗が出てしまいますから、医学部受験では非常に不利になってしまいます。

そうならないためにも、しっかりと今一度医学部入学の意思の是非を自身に問いかけることが必要になります。

(2)自分の志望校に合った面接対策を行う

自分の医学部入学の意思が再確認できれば、あとはどうやって面接試験を突破していくかというテクニックのお話になってきます。

そこで重要になってくるのが、各大学の面接形式の違い。

各大学によって聞かれることは似ていても、面接官の人数や面接官に対する受験生の人数が微妙に各大学異なります。

例えば、ある大学では3人の面接官に対し、1人の受験生であったり、他の大学では2人の受験生に対して1人の面接官であったりします。また、単純な形式の面接でないところも近年は増えており、東京慈恵会医科大学等ではMMI形式といった、1対1の面接を複数回行うような大学も出てきています。

したがって、それら細かい形式にきちんと対応できるように、自分の志望校の面接形式をあらかじめ知っておき、それに対する対策を個別で考えていく必要があるでしょう。

(3)常に医学部受験の情報を集める

自分の志望校に合った面接形式の対策をする必要があると言いました。

その面接形式を知るのは、やはり常日頃から医学部受験に関する情報に触れていなければなりません。医学部受験は情報戦と言われるように、少しの情報が医学部受験の合否を左右してしまう場合があります。

例えばですが、一般入試にしても急に出願期限の日程が変更されることも考えられます。その出願期限の変更を知らなければ、自分の志望校を受験できないということも考えられるわけです。

逆に言えば、常に医学部受験の情報を集めていれば、自分に有利な情報を得られることで、合格可能性が上がることも考えられます。

やはり情報は集めておいて損はないと思われます。

①友人伝いで集める

一番簡単なのは、同じく医学部受験に挑戦する友人や知人から情報を得ることでしょう。

最も、その友人、知人伝いで得られた情報が全て正確であるとは限りません。

しっかりと大学の公式ホームページや、医学部受験の情報サイトで最新の情報をチェックしておくことが重要です。

②学校の進路指導室などで集める

現役生であれば、高校にたくさんの大学の資料や試験傾向の分析資料などがおいてある「進路指導室」を活用することができるでしょう。

存在を知らない場合、高校側に聞いてみれば、少なくとも大学などの資料は置いていることが多いですから、しっかりと自分の目で見て確かめることが重要です。

その際に、確認すべきは過去の受験データなどです。一般的に大学受験の統計データは大学自身が公開していることが多いですが、公開していたとしても、最新の数か年分の情報ぐらいが大半です。

面接形式などの細かな変遷や、大学の欲しがっている人材のイメージなどは数か年分以上、過去に遡って探す必要があります。

その点、高校などの進路指導室には古い資料も置いてあったりするため、これを活用しない手はないでしょう。

③医学部専門の予備校で集める

最も確実なのは、医学部専門の予備校で情報収集することでしょう。

これら医学部の専門予備校は「専門」を謳っているだけあって、常日頃から医学部受験の情報を収集している場合が多いです。

したがって、最新の情報はもちろん、過去の医学部受験情報から、面接の細かな形式まで。さらには実際にその大学を受験した人の感想や対策法などを聞けることも多く、非常に有用です。

また、自分自身で医学部受験情報を探すまでもなく、そういった予備校では専門の情報収集担当者がいます。かなり詳しくまとめている場合が多いため、これまたかなり心強く、収集の手間を省くことができるというのも大きいでしょう。

まとめ

この記事では、「医学部受験で面接が存在しない大学はない」ということに始まり、医学部受験の面接試験をいかに突破するかということについても解説してきました。

ここで解説したことは、一般的な事ではありますが、意外と知られていなかったりする情報もあります。ここでの情報を知っただけでも、他の受験生に差をつけられたと思っていただいて大丈夫です。

この記事を読まれた皆さんが、しっかりと志望校に合格されることをお祈りしております。

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