医師になるメリットとデメリット

医師になるメリットとデメリットについて解説

医師という職業は、ドラマや漫画で良く取り上げられるためドラマティックな職業であり、かつ多忙を極める仕事であるというイメージを持っている医学部志望性も多いと思います。

そのようなドラマなどに登場する医師は高収入であったり、高度な技術を持っていたり、高いステイタスを持っていたりすることは珍しくありません。

では実際、医師になった場合には、どのようなメリットがあるのでしょうか。

ここでは医師になった場合のメリットについて、詳しく解説していきます。

1.医師になるメリットにはどのようなものがあるのか

医師になった場合には、実に多くのメリットを得ることができます。

そのメリットについて、以下に解説していきます。

(1)高い年収を得ることができる

勤務医の平均年収は、令和元年(2019年)の時点で約1,169万円となっており、平均年齢は40.7歳、平均勤続年数は5.2年となっています。

勤務医は医師の中では年収が低いと言われていますが、それでも平均年収はこのような金額です。

開業医になると経営している病院の状態にもよりますが、さらに跳ね上がるのが一般的。その相場は2,500万円といわれていますが、病院の規模が大きければ1億円を超えることもあります。

このように高い給与を得るためには、宿直や残業などを行う必要がある場合もありますが、それにしてもやはり医師は高給取りであることは間違いありません。

このように、医師は高い給料を得られるというメリットがあります。

(2)高い社会的信用を得ることができる

医師は、高い社会的信用を得ることができる職業です。

そのため一般の人では考えづらい高額の住宅ローンや、ハイクラスのクレジットカードの審査に通るのも難しいことではありません。

なぜ、医師は社会的に高い信用を得られるのでしょうか。

その理由は、医師になるために難関学部である医学部に6年間通い、学び続けて知識と技術を身につけ、さらに国家試験に合格し医師免許を取得する能力があるためです。

また医学部に合格するためには面接試験もあり、学力だけではなく本人の人格も問われるため、高い人間性を持った人でないと医師になることは難しくなっています。

そのため医師は、立派な人物であるという評価をくだされることが多く、高い社会的信用を得ることができるのです。

(3)人から感謝される仕事ができる

医師は、人々の健康と生命を守るのが仕事です。

大抵の患者さんは診察が終わった後や、退院のときなどに「ありがとうございました」や「お世話になりました」の一言をかけてくれます。

このように人に深く感謝される仕事は、他にはそうありません。

(4)自由な働き方ができる

医師と一口に言っても、その働き方はさまざまです。

多くの診療科目の中から自分に合ったものを選ぶことができ、また勤務医やアルバイト、資金と経営に自信があるのであれば開業医など、その働き方には多くのものがあります。

キャリアにこだわらないのであれば、アルバイトでも十分な収入を得ることも可能です。

アルバイトであっても、時給は1万円を切ることはまずなく、同年代の一般的なサラリーマンに比べるとはるかに高い収入を得ることができます。

自由に働き方を選びながら、高い収入を得ることができる点も医師という仕事のメリットです。

(5)自分が興味のある分野の診療科や研究に進むことができる

医師免許を持っていれば、ほぼすべての診療科の医師になることができます。

麻酔科など医師免許にプラスして資格が必要な場合もありますが、そのような診療科に就きたい場合はまた資格取得に向けて勉強する必要があります。

しかし、国家試験をクリアし医師免許を取得することができた人なら、このような資格試験も難しいと感じる人はそう多くないでしょう。

また患者さんを診ることが苦手な人や研究に興味がある人には、病理など研究職に就くという道もあります。

患者さんとコミュニケーションを取ることは診察の基本ですが、それができない人であっても麻酔科や放射線科など、コミュニケーション以外の部分で自分の実力を活かすことができます。

また、手先が器用でない人にはそのような資質を必要としない精神科や産業医などが向いています。

このように、自分の特性に合っていたり、自分が興味を持っていたりすることを仕事にできる点もメリットの一つです。

(6)仕事にやりがいを見いだしやすい

医師の仕事とは、自分が持っている医療の知識や技術を駆使して、ケガや病気に悩む患者さんを助けることです。

そのために、患者さん自身の状況を本人に分かりやすく説明し、納得できる治療法を一緒に選択することで、患者さんの「元気になりたい」という気持ちを引き出しながら治療を進めて行きます。

このような治療のプロセスを患者さんと一緒になって乗り越えていくことが、医師という仕事のやりがいにつながります。

医師という仕事は、究極の「人助け」であると言っても良いでしょう。

(7)一流の医師と交流することができる

医師の世界には、多くの医療分野で一流と言われる人が非常に多く存在します。

ノーベル賞の科学の分野の受賞者の中に医師が多いことが、そのことを証明しています。

極論してしまえば、どこの医学部であってもその大学にいる各分野のトップの人は、その分野の一流の研究などに携わっていると考えても良いでしょう。

そのような一流の人と学会などで直接顔を合わせたり、研究や診療の分野について質問したりする機会も少なからずめぐってきます。

このような機会を非常に多く持てるという点も、医師という仕事の大きなメリットであるといえるでしょう。

(8)安定して仕事がある

日本は現在、医師不足が続いています。

医師の数は年々増えてきていますが、まだまだ医師不足は解消されていません。

日本の医師不足の理由には、医師数の絶対的な不足や外来患者に対する医師不足、病院での必要医師数の不足、地域による医師不足、診療科による医師不足、業務増大と働き方改革に伴う医師不足など多岐にわたります。

このように医師は慢性的に不足しているため、医師免許を持っているのに働き口がないという状況になることはまずないと考えられます。

また将来医師の仕事はAI(人工知能)にとってかわられるのではないかという心配をされているもいるかもしれませんが、将来的に診療や研究の全てをAIが行うようになるとは考えづらいといえます。

AIが医療現場で活用されることは確実ですが、このことで医師の仕事の内容が大きく変わることはあっても医師が全く必要ではなくなることはないでしょう。

医師の既存の仕事全てをAIが行うことはできないため人手が必要な仕事は残り、同時にAIを導入することにより新たな仕事も生まれてきます。

このような理由から、医師という職業は将来にわたって安定して働き続けることができる職業であるといえます。

(9)定年がないため働く気持ちと体力がある限り続けられる

医師免許は、年齢によりその資格が無効になることはありません。

勤務医であれば、勤め先により定年の年齢が定められていることもありますが、もし定年の年齢が定められていても、働く気持ちと体力があれば今までとは違った形で医師として働き続けることは十分に可能です。

前述したように、医師としての働き方には非常にたくさんのものがあります。

そのため、勤務先を定年により退職しても自分に合った働き方を見つけて、医師として働き続けることができます。

(10)周囲に親切でいい人が多い

ほとんどの医師を含めた医療従事者の方々は、基本的に「人と生命と健康を守りたい」という気持ちから医療職に就いています。

このような考え方は、基本的にやさしい気持ちを持った親切な人でないと持つことができません。

中には医師という職業のステイタスの高さや収入の良さに惹かれて医師になった人もいると思いますが、そのような人は意外に少ないことが多いのです。

医師を続けていく上では時に激務であったり、理不尽な思いをしたりすることもあります。その点は他の職業でも同じだとは思いますが、このようなことを乗り越えていくためにはやはり医師としての「人の生命と健康を守りたい」という理想や信念を持っていないと難しいでしょう。

そのため、医師を含めた医療従事者の中には親切でいい人が多いのもが特徴です。

2.医師になることのデメリットはあるのか

医師になることには、デメリットもあります。

診療科によっては重労働や激務です。若手のときは学ぶべきことも多いため特に激務であるのに給料が低い、重い責任を負わなければならない、特に女性で結婚を望んでいる人は婚期が遅れやすいといったデメリットが挙げられます。

しかし、これらのデメリットは他の職業にも言えることで、異なる点は人命を扱う職業であるため他の職業より重い責任を負わなければいけないといったことのみです。

重労働や激務、若い時の薄給については他の職業に就いた場合でも同じようなデメリットがあるケースが少なくありません。

また、特に女性の場合は婚期が遅れやすいといった点もあります。これ関しては、男性は自分より年収が高い女性を敬遠する傾向があるためです。

加えて、医師という職業で懸命に働いていては出会いが少ないという現状もあります。

しかし、他の職業であっても男性と同程度に仕事をこなしている女性が少ないわけではありません。他の職業でも晩婚化が進んでいることから、この点も医師特有のデメリットであるとは考えづらいでしょう。

このように、医師として働くことにはデメリットもありますが、負う責任が大きいということ以外は、他の職業とそう大きく変わらないといえます。

まとめ

ここまで医師になるメリットについて解説してきました。

医師になることで、多くの医師特有のメリットを享受できることがお分かりいただけたと思います。

確かにデメリットもありますが、そのほとんどは他の職業に就いても同じような内容のデメリットがあるため、あまり問題にはならないでしょう。

医師として働くことの最大のメリットは、人の健康と命を守ることができるという点です。

医師を目指している人は、このことを忘れることなく、より良い医師を目指して努力を続けるようにしましょう。

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