医学部受験で多浪は当然!?

医学部受験で多浪は当然!?【なぜ多浪が多いのか徹底検証】

「医学部受験では多浪が多いと聞いたのだけど、実際どれくらいいるんだろう?」

「医学部受験では何年まで浪人するのが一般的なんだろう?」

この記事を読まれている皆さんは、そんなことを思ったことはありませんか?

この記事では、そんな疑問に対してしっかりしたデータを提示した上でお答えしていきます。

そして、最終的に多浪で医学部に合格するにはどうしたらいいのかというところまでお教えしていきます。

1.医学部で浪人は一般的

医学部受験においては浪人が当たり前であると言われていますが、実際にはどれぐらい浪人生が医学部受験に挑み合格していくのでしょうか?

ここでは、どれほどまで医学部受験において浪人が多いのかということを検証していきます。

(1)実際の医学部入学者に占める浪人生の割合

まずは、実際に医学部の入学者にどれだけ浪人生がいるのかということを数字にて示してみたいと思います。

①私立大学

大学名現役1浪2浪3浪
慶應義塾大学69.227.03.8
東京女子医科大学49.623.013.314.1
東京慈恵会医科大学49.535.810.14.6
昭和大学47.952.1
北里大学45.415.118.521.0
国際医療福祉大学35.834.230.0
自治医科大学34.143.117.94.9
東邦大学33.941.711.313.1
日本医科大学33.939.714.012.4
聖マリアンナ医科大学33.834.410.021.8
東京医科大学33.143.512.111.3
藤田医科大学27.533.320.019.2
近畿大学27.431.912.428.3
兵庫医科大学25.274.8
川崎医科大学25.022.727.325.0
埼玉医科大学23.141.517.717.7
東海大学22.429.420.128.0
産業医科大学21.438.122.218.3
獨協医科大学20.179.9
杏林大学19.740.221.318.8
愛知医科大学18.142.218.121.6
大阪医科大学17.933.016.133.0
関西医科大学14.835.225.424.6
岩手医科大学14.039.019.028.0
日本大学14.033.022.031.0
金沢医科大学11.234.627.127.1
久留米大学10.229.919.740.2
福岡大学5.529.929.135.4

②国公立大学

大学名現役浪人
東京大学77.322.7
京都大学65.734.3
横浜市立大学63.236.8
弘前大学62.537.5
名古屋大学61.538.5
浜松医科大学61.138.9
九州大学58.941.1
千葉大学58.241.8
大阪大学54.745.3
札幌医科大学52.747.3
新潟大学51.648.4
神戸大学51.348.7
徳島大学50.449.6
琉球大学49.650.4
奈良県立医科大学49.650.4
福島県立医科大学49.250.8
秋田大学49.250.8
群馬大学49.150.9
宮崎大学48.251.8
大阪市立大学47.552.5
北海道大学46.153.9
京都府立医科大学45.854.2
滋賀医科大学41.059.0
信州大学38.361.7
和歌山県立医科大学37.063.0
熊本大学35.364.7
鳥取大学35.264.8
長崎大学33.366.7
大分大学30.369.7
富山大学27.672.4

※単位は全て%で表示。なお、慶應義塾大学、昭和大学、兵庫医科大学、獨協医科大学に関しては1浪以降の数値がまとめられている場合がある。

※データは私立、国公立共に医学部受験ラボより引用

参考:https://www.igakubujuken.jp/ranking/student

③傾向分析

傾向としては、私立大学よりも国公立大学の方が現役合格率は高く、結果的に浪人生の合格割合が低くなっています。

これは、センター試験という特殊な試験が国公立大学で課せられているということ、そして国公立志向の高校生が多いことが関係していると考えられます。

なお、上記のデータから、平均的な現役合格率を算出すると、以下のようになります

  • 私立:27.99%
  • 国公立:49.38%

(※小数点第三桁以降を四捨五入して算出)

したがって、入学者に占める浪人生の割合は以下の結果になりました。

  • 私立大学医学部が、約70%
  • 国公立大学医学部が約50%

上記数値を合算すると、医学部そのものの合格者に占める浪人生の率は約60%となりますので、医学部合格者のうち、およそ六割の人は浪人を経験しているということになります。

なお、他学部における浪人率を参考までに下にお示ししておきます。

  • 工学部:国公立私立合わせて約30%
  • 薬学部:国公立私立合わせて約40%

※データえっせいHPから引用したデータより独自に算出

これらデータを見てもやはり医学部の浪人率が異常に高いことが分かりますね。

参考:http://tmaita77.blogspot.com/2016/09/blog-post_22.html

(2)医学部では多浪は珍しくない

さて、医学部では浪人生が多いということは伝わったかと思います。

では、この記事のメインテーマである「多浪」生に関しては、どれだけ存在しているのでしょうか?

私立医学部に関してだけのデータしかないため、何とも言えませんが、2年以上浪人を繰り返している多浪生の割合はなんと、合計で20%~60%と非常に多くなっています。

国公立大学に関しても、私立大学に比べれば浪人生の割合が少ないと言っても、多浪生は存在しているため、マイノリティではないということは分かりますね。

つまりは、浪人生のうちほとんどが多浪生であるという大学もあり、医学部における多浪が如何に一般的であるかを示しています。

(3)医学部で一番多い多浪は2年

これも先ほどお示ししたデータを見ていただければ分かりますが、2浪が約15%となっており圧倒的に2浪が多いということが分かります。

したがって、医学部で一番多い多浪の年数は、「2年間」であると言えるでしょう。

2.医学部で多浪生が多い理由

それでは、医学部においては何故、多浪率が高くなっているのでしょうか?

その理由を以下に3つお示しいたします。

  • 医学部受験の難易度が高い
  • 医学部受験に対して危機感を抱けない場合がある
  • 間違った勉強法で何年間も勉強してしまう

それでは、それぞれについて詳しく解説していきます。

(1)医学部受験の難易度が高い

1章でも解説した通り、医学部受験はそもそもの難易度が高いです。

偏差値も、河合塾全統模試基準で最低でも60を取ることができなければ合格はおぼつきませんし、入学試験の問題の難易度自体も非常に高くなっています。

また、医学部に入学を希望する受験生が非常に多くなっているため、自然に入学倍率も高まっています。5倍や10倍は当たり前で、時には数百倍もの入学倍率になることがあります。

それだけ高い倍率の中、しっかりとその関門を突破していくにはやはり相当な学力が必要になってきますし、最終的には自分と相性のいい問題と当たるかどうかなどの運も関わってきます。

一年間の浪人を経ても、それだけのレベルに達しなければ、もう1年、もう1年とチャレンジの期間を長くせざるを得ませんし、その時々での運もあります。

こうした事情を鑑みると、やはり各教科とも高い完成度が求められる医学部受験において、多浪が一般的であることは納得できることでしょう。

(2)医学部受験に対して危機感を抱けない場合がある

浪人生活を経験すると、その生活が当たり前になってしまうことが多いです。

例えば、普段から慣れていることに関して人間は親近感を抱きます。ですから、その状況が心地よければ良いほど長くその状況でいたいと思うことは当然です。

すなわち、浪人生活という比較的刺激の少ない日々に納得してしまい、その環境で慣れてしまうとその状況を変化させることがむしろ嫌になってしまいます。

したがって、浪人生活を繰り返すにつれ、医学部受験に対しての危機感が低下していき、さらに浪人の期間が長くなるという悪循環に陥ってしまいがちです。

特に、先の見えない医学部受験においてはその傾向が顕著であるため、多浪が多いという事実にも納得できるでしょう。

(3)間違った勉強法で何年間も勉強してしまう

この理由が一番多浪の原因となる可能性が高いのですが、「間違った勉強方法で何年間も浪人してしまう」ということが一番危ないです。

浪人生の多くは、予備校などに通い勉強スタイルを整えて受験に挑みますが、大手予備校など、自発的な計画の修正などが必要とされる環境下では、自分の勉強方法の見直しをできない場合があります。

すると、間違った勉強法で長い期間勉強してしまう、ということが起こるわけです。

当たり前ですが、周りの受験生のレベルが高い医学部受験において「間違った勉強法」は命取りになります。

そして、その間違った勉強法にいつまでも気づかずに長いこと浪人を繰り返すというのが、多浪の一番の要因です。

3.どうすれば多浪でも医学部に合格できるか?

それでは、どうすれば多浪でも医学部に合格することができるのでしょうか?

大事なポイントを3つ挙げていきますので、しっかりと読んで参考にしてみてください。

(1)自分に合った勉強法/環境で勉強する

先ほども言いましたが、医学部受験における「多浪」で一番怖いのが間違った勉強法で何年間も勉強し続けることです。

したがって、自分に合った勉強法や環境を見つけていくことが大切になってきます。

自分自身の勉強法で見直すべきところがないかを「自分で」確認できるのがベストですが、難しい場合は第三者に介入してもらうことをお勧めします。

例えば、今通っている予備校の講師に話を聞いてみるだとか、チューターに相談に乗ってもらうだとか、そういう感じで第三者を巻き込むことで、勉強法の修正が効率的にできます。

もし、身近にそういう人がいないのであれば、医学部受験に特化した医学部専門予備校に相談するというのも一つの手です。

医学部専門予備校は、これまで多くの医学部受験生を見てきていますから、どのようにしたら効率的な医学部合格を達成できるかというノウハウを熟知しています。相談すれば非常に新味になって教えてくれますし、的確なアドバイスを得られる可能性が高いです。

(2)自分が勉強してきたことに自信を持つ

もしも多浪生活を今まで過ごしてきて、沢山の努力をこなしてきたのなら、自分の努力してきたこと、勉強してきたことに自信を持ってください。

自信を持って受験に挑む場合と、自信を無くしたまま受験に挑む場合ではやはり合格率は圧倒的に違ってきます。

少しメンタル的な話になりますが、少しの差で合否を分ける医学部受験では、少しでも気を抜くとライバルに差をつけられてしまいます。

今までやってきたことは確実にあなたの身になっていますから、せっかく何年間も勉強してきたのなら、自信を持って挑まれることをおすすめします。

(3)積極的に勉強リソースを活用する

最後は、勉強リソースを最大限活用することが重要になってきます。

お世話になっていた高校の先生を使うでもよし、現在通っている予備校の講師に助けてもらうもよし。

他にも、同じく医学部受験をしていて先に医学部に入学した同期や友達の話を聞くでも何でもいいです。

とにかく身の回りにある勉強リソースを最大限活用することをおすすめします。

まとめ

さて、今回は医学部受験における「多浪」についてお話してきました。

この記事を読んでいるあなたがもしも多浪生なのであれば、自信を持ってそして最大限のリソースを活用して受験に挑まれるといいでしょう。

そして、多浪を怖がっている1浪生や現役生なのであれば、医学部合格だけをしっかりと見据えて、勉強を続けていけば確実に合格できます。

この記事をお読みいただいた皆さんが、良い結果を残されることを願っております。

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