医学部受験で通信教育

医学部受験で通信教育を使うメリット・デメリットを解説

医学部受験に挑む時に多くの受験生が考える選択肢として、「大手予備校」「医学部専門予備校」が挙げられますが、通信教育という選択肢も実は多くの医学部受験生に受け入れられており、実は通信教育だけで医学部に合格している例も多数あります。

今回はそんな通信教育で医学部受験に挑むメリットとデメリットを3つずつご紹介し、どんな人が通信教育だけで合格できるのか、またそのコツもご紹介していきます。

1.医学部受験に通信教育で挑むメリット

まずは、医学部受験に通信教育だけで挑むメリットを3つ挙げてみます。

  1. どこでも時間を縛られずにマイペースで勉強できる
  2. 自分の興味がある分野、範囲から勉強を始めることができる
  3. 授業の質が均一で、だれが受けても遜色ないレベルの高い授業を受けられる

それぞれ詳しく解説していきます。

(1)どこでも時間を縛られずにマイペースで勉強できる

最初に挙げるのは、「どこでも時間を縛られずに勉強できる」ということ。

カフェや図書館など場所に縛られることなく勉強ができるというのは、同じ環境でダレてしまう受験生にはかなりいい影響をもたらします。

例えば、多くの医学部受験生が所属する大手予備校であれば、確かに立派な校舎があり、講師が目の前で教えてくれるため、「ライブ感」があって、勉強に集中で切るという大きなメリットがあります。

しかし、これは逆に「同じ環境で同じことしかしない」という何も刺激がない環境に落ち着いてしまうという、デメリットにもなり得ます。

その点、場所を選ばず自分の好きな環境で勉強することのできる通信教育であれば、その日の気分や勉強の進捗状況に合わせて場所・日時を変えられます。

基本的に受験生活は「監獄」のようなモノと例えられますが、通信教育であれば広い世界で勉強することができますよね。

(2)自分の興味がある分野、範囲から勉強を始めることができる

通信教育では、自分の進捗状況に合わせて好きな範囲から受験勉強をスタートさせることができます。

例えば、大手予備校や医学部専門予備校では年間を通して「決められた」カリキュラムで進んでいくため、進捗状況の心配をすることなく受験だけに取り組むことができます。

しかし、これは大きなデメリットにもなり得ます。

ものすごく先まで理解できている受験生と、まったく理解できていない受験生が同じスピードで勉強を行っていくということになってしまうため、自分のペースで勉強できないということに陥ってしまいます。

対して、通信教育では自分の出来ない事からやり始めたり、逆に自分の得意なところをさらに得意にさせたりという、非常に柔軟な計画で勉強を進めていくことができます。

(3)授業の質が均一で、だれが受けても遜色ないレベルの高い授業を受けられる

最後のメリットになりますが、どの授業を聞いても「確実に同じクオリティ」である、ということが挙げられます。

例えば、これが大手予備校などになると、ライブ授業であり目の前で受験のプロが話をしてくれるというメリットになるかもしれません。

しかしこれは、「日々の授業のクオリティが変わってしまう」ということデメリットにもなり得ます。日によって「大事」であると言われるところが変わったり、同じ問題に対する解説でもクラスによって変わってしまったりと、質にばらつきが出てしまいます。

これが通信教育であれば、全て録画であるため「全く同じ質」が担保され、分かりにくいということは基本的にありません。

また、通信教育では非常に有名な講師が分かり易く解説してくれる場合が多いため、「授業が分かりにくい」ということにもなり得ません。

2.医学部受験に通信教育で挑むデメリット

ここまで、メリットばかり挙げてきましたが、では実際のところ通信教育にはどんなデメリットがあるのでしょうか?

それが以下になります。

  1. 先生に直接質問をすることが難しい
  2. 分からないところがあっても、具体的なフォローはしてもらえない
  3. 自分一人で勉強環境を作り出さなければいけない

それぞれ解説していきます。

(1)先生に直接質問をすることが難しい

まず、大きなデメリットとして、「先生に直接話しかけられない」ということが挙げられます。

大手予備校や医学部専門予備校では目の前でプロの講師が、実際に授業をしてくれるということから、分からないことがあればすぐその場で質問することができます。

対して、通信教育では例え授業内や課題で疑問点があっても、よくてリアルタイムオンライン。最悪の場合、書簡やメールなどで質問することになってしまい、返答に非常に時間がかかる場合が多くなってしまいます。

(2)分からないところがあっても、具体的なフォローはしてもらえない

また、(1)に関連して直接質問できない上に、その後のフォローも全て間接的なものになってしまいます。

例えば、オンライン会議を通した質問解説やウェブでのチャットシステムを使用したとしても、やはり直接的なフォローは非常に難しいです。

もちろん、疑問点の解消だけならば、チャットなど文面上での回答でも問題は少ないでしょう。しかし、やはり数学などの視覚的な理解も必要な科目になってくると、問題の解く流れを含めて解説してもらえなければ、なかなか理解するのは難しいです。

従って、質問と回答にラグが生じ、かつ目の前で流れも含めて解説できない通信教育は、大手予備校などに「フォロー」の面でどうしても劣ってしまいます。

(3)自分一人で勉強環境を作り出さなければいけない

メリットのところで、「自分の進捗状況に合わせて」勉強をすることができると言いました。

しかし、このメリットを生み出すには、非常に大きな条件が必要になります。

それが「自律して勉強をできる必要がある」ということです。

例えば、周囲の環境にすぐ流されて我を忘れてゲームをしてしまうであるとか、勉強そっちのけで漫画を読んでしまうだとか、受験生は長い受験期間ですから、そういう時ももちろんあります。

これが大手予備校ならば、校舎のスタッフやチューターにアドバイスをもらったりして修正していくことができるのですが、通信教育の場合自分以外にその行動を戒めてくれる人はいません(親などは除く)。したがって、最終的には自律して行動できるかというところが大きな焦点となってきてしまいます。

自分では「だらけること」を制御できないという意識がある場合は、通信教育での医学部受験は非常に険しい道になるかもしれません。

3.通信教育だけで医学部に合格する人の特徴

それでは、実際にどういう人が通信教育だけで医学部受験を突破していくのでしょうか?

3つほど具体例を挙げてみました。それが以下です。

  1. 自分なりの勉強方法が確立されている人
  2. 周りに質問を受けてくれる大人や友人がいる人
  3. 自分一人で勉強することに苦痛を感じない人

以上3パターンあるので、それぞれ見ていきましょう。

(1)自分なりの勉強方法が確立されている人

最も通信教育向けであると言えるのは、「自分なりの勉強方法」が確立されている人でしょう。

例え周囲の環境がどう変わっても、自分のやるべきことをきっちりと理解しており、自分なりの成績の上げ方をしっかりと確立している人は、環境を自由に変化でき、自分のペースで勉強できる通信教育と非常に相性が良いでしょう。

もちろん、通信教育の提示するカリキュラムもある程度はこなさなければなりません。しかし、それ以上に自分がやりたいことができるというメリットが勝り、医学部受験を突破できる可能性も上がります。

(2)周りに質問を受けてくれる大人や友人がいる人

通信教育の大きなデメリットは、疑問が湧いてから解決するまでにかなりの時間を要してしまうことであると言いました。

しかしながら、それは周りに質問を受けられる人間がいない場合のデメリットです。もしも自分の周囲に各科目の質問を受けてくれる先生となる人間(親、友人、身内)などがいる場合は、その場で疑問を解決することができるため、すぐに疑問を解決できないというデメリットを相殺することができます。

したがって、周りに質問を受けてくれる人がいる場合は、通信教育は非常に良い選択肢になるでしょう。

(3)自分一人で勉強することに苦痛を感じない人

最後に、自分一人で勉強することに苦痛を感じない人も通信教育とはかなり相性がいいでしょう。

通信教育は、基本的に自分でやるべきことを決めて、その計画を自分一人で遂行していくことです。

周りに同じような受験生もおらず、刺激を受けることができないため、やる気を維持することが難しいかもしれません。

この場合、自分一人だけで孤独に勉強できる人の場合は、これがむしろ有利に働くため、通信教育に合っているでしょう。

4.通信教育だけで医学部を受験するときに注意すべきこと

最後に、通信教育だけで医学部を受験することに注意すべきことを2つ挙げておきます。

(1)最新の情報を自分で手に入れる必要がある

通信教育は、基本的に対面で情報を得られません。

大手予備校や医学部専門予備校に通っていれば、医学部受験に精通したスタッフや現役の医学生のチューターと接することができます。そのため、かなりの確率で、なにも意識しなくとも最新の医学部受験情報を手に入れることができます。

対して、通信教育の場合は自分からネットや公式サイトを調べに行って情報を取得していく必要があります。

(2)情報力を持った医学部専門予備校に相談する

最も手っ取り早く医学部受験の情報を手に入れたいと思った場合には、医学部専門予備校に相談することをお勧めします。

前項でも説明しましたが、医学部専門予備校には医学部受験に精通したプロの講師や医学部受験情報の分析者、現役の医学生などが所属していますから、情報を聞きに行くだけでもかなり有用だと考えられます。

本当に情報が欲しいと思った場合は、医学部専門予備校を頼ってみる、というのも頭の片隅に置いておきましょう。

まとめ

今回は医学部受験に挑むにあたり、通信教育だけで合格できるのかということについてお話してきました。

確かに医学部受験の難易度は近年高めですが、しっかりとした方針を固めて挑むことで、確実に合格を手に入れることができます。

この記事以外も読み込んでいただいて、ぜひみなさんの受験生活にお役立てください。

一番上へスクロールするボタンを有効または無効にする