医学部受験においては浪人することが、極一般的であることは多くの方が知るところであると思います。
偏差値も近年は高止まりの様相を見せており、いかに医学部合格を早めるかということはかなり重要なポイントであると考えられます。
そこで、今回はそんな中でも医学部受験をしっかりと「一年間」でクリアする方法を皆さんにお教えしていきます。
現状の医学部入試を詳しく知ることができると同時に、勉強の将来的な指針を組み立てる際にもかなり役立つと思いますので、是非最後までお読みくださいませ。
1.医学部受験の「現状」
医学部受験を一年間でクリアするための方法を解説していく前に、現在の医学部・入試状況を知っておきましょう。
(1)医学部では浪人することは珍しいことではない
まずは、どれぐらいの医学部受験生が浪人しているのかということからです。
受験生の方であれば感覚的に浪人生の割合は知るところであると思いますが、現役生の場合は実際の浪人生の割合はあまり実感できないところかと思います。
そこで、ちょっとした統計の資料を以下にご紹介していきます。
①私立大学
大学名 | 現役 | 1浪 | 2浪 | 3浪 |
---|---|---|---|---|
慶應義塾大学 | 69.2 | 27.0 | 3.8 | |
東京女子医科大学 | 49.6 | 23.0 | 13.3 | 14.1 |
東京慈恵会医科大学 | 49.5 | 35.8 | 10.1 | 4.6 |
昭和大学 | 47.9 | 52.1 | ||
北里大学 | 45.4 | 15.1 | 18.5 | 21.0 |
国際医療福祉大学 | 35.8 | 34.2 | 30.0 | |
自治医科大学 | 34.1 | 43.1 | 17.9 | 4.9 |
東邦大学 | 33.9 | 41.7 | 11.3 | 13.1 |
日本医科大学 | 33.9 | 39.7 | 14.0 | 12.4 |
聖マリアンナ医科大学 | 33.8 | 34.4 | 10.0 | 21.8 |
東京医科大学 | 33.1 | 43.5 | 12.1 | 11.3 |
藤田医科大学 | 27.5 | 33.3 | 20.0 | 19.2 |
近畿大学 | 27.4 | 31.9 | 12.4 | 28.3 |
兵庫医科大学 | 25.2 | 74.8 | ||
川崎医科大学 | 25.0 | 22.7 | 27.3 | 25.0 |
埼玉医科大学 | 23.1 | 41.5 | 17.7 | 17.7 |
東海大学 | 22.4 | 29.4 | 20.1 | 28.0 |
産業医科大学 | 21.4 | 38.1 | 22.2 | 18.3 |
獨協医科大学 | 20.1 | 79.9 | ||
杏林大学 | 19.7 | 40.2 | 21.3 | 18.8 |
愛知医科大学 | 18.1 | 42.2 | 18.1 | 21.6 |
大阪医科大学 | 17.9 | 33.0 | 16.1 | 33.0 |
関西医科大学 | 14.8 | 35.2 | 25.4 | 24.6 |
岩手医科大学 | 14.0 | 39.0 | 19.0 | 28.0 |
日本大学 | 14.0 | 33.0 | 22.0 | 31.0 |
金沢医科大学 | 11.2 | 34.6 | 27.1 | 27.1 |
久留米大学 | 10.2 | 29.9 | 19.7 | 40.2 |
福岡大学 | 5.5 | 29.9 | 29.1 | 35.4 |
②国公立大学
大学名 | 現役 | 浪人 |
---|---|---|
東京大学 | 77.3 | 22.7 |
京都大学 | 65.7 | 34.3 |
横浜市立大学 | 63.2 | 36.8 |
弘前大学 | 62.5 | 37.5 |
名古屋大学 | 61.5 | 38.5 |
浜松医科大学 | 61.1 | 38.9 |
九州大学 | 58.9 | 41.1 |
千葉大学 | 58.2 | 41.8 |
大阪大学 | 54.7 | 45.3 |
札幌医科大学 | 52.7 | 47.3 |
新潟大学 | 51.6 | 48.4 |
神戸大学 | 51.3 | 48.7 |
徳島大学 | 50.4 | 49.6 |
琉球大学 | 49.6 | 50.4 |
奈良県立医科大学 | 49.6 | 50.4 |
福島県立医科大学 | 49.2 | 50.8 |
秋田大学 | 49.2 | 50.8 |
群馬大学 | 49.1 | 50.9 |
宮崎大学 | 48.2 | 51.8 |
大阪市立大学 | 47.5 | 52.5 |
北海道大学 | 46.1 | 53.9 |
京都府立医科大学 | 45.8 | 54.2 |
滋賀医科大学 | 41.0 | 59.0 |
信州大学 | 38.3 | 61.7 |
熊本大学 | 35.3 | 64.7 |
鳥取大学 | 35.2 | 64.8 |
長崎大学 | 33.3 | 66.7 |
大分大学 | 30.3 | 69.7 |
富山大学 | 27.6 | 72.4 |
※単位は全て%で表示。なお、慶應義塾大学、昭和大学、兵庫医科大学、獨協医科大学に関しては1浪以降の数値がまとめられている場合がある。
参考:https://www.igakubujuken.jp/ranking/studentより引用
③分析
かなり細かいデータになっていますが、簡単にかみ砕いて解説していきます。
傾向としては、私立大学よりも国公立大学の方が現役合格率は高く、結果的に浪人生の合格割合が低くなっているということが分かりました。
これは、センター試験という特殊な試験が国公立大学で課せられているということ、そして国公立志向の高校生が多いことが関係していると考えられます。
なお、上記のデータから、平均的な現役合格率を算出すると、以下になります。
私立:27.99%
国公立:49.38%
(※小数点第三桁以降を四捨五入して算出)
したがって、入学者に占める浪人生の割合は以下のようになります。
私立大学医学部が、約70%
国公立大学医学部が約50%
なお、他学部における浪人率を参考までに下にお示ししておきます。
- 工学部:国公立私立合わせて約30%
- 薬学部:国公立私立合わせて約40%
参考:http://tmaita77.blogspot.com/2016/09/blog-post_22.html
これらデータより、医学部の浪人率が60%であり、他学部と比較しても高いということが分かります。また、単純に考えても入学者の6割が浪人生というのはかなり異常な数値ですよね。
(2)医学部の偏差値は近年高止まりしている
今度は別のデータを見てみることにしましょう。
それが以下になります。
①私立大学
大学名 | 2020 予想 | 平均 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
慶應義塾大学 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 |
順天堂大学 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 |
東京慈恵会 医科大学 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 |
日本医科大学 | 70.0 | 68.5 | 70.0 | 70.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
大阪医科大学 | 67.5 | 68.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 |
関西医科大学 | 67.5 | 68.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 |
東邦大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
東北医科 薬科大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
自治医科大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
防衛医科 大学校 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
昭和大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
近畿大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
久留米大学 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 70.0 | 67.5 | 67.5 | 65.0 |
産業医科大学 | 70.0 | 67.5 | 70.0 | 67.5 | 65.0 | 67.5 | 67.5 |
東京医科大学 | 65.0 | 67.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
金沢医科大学 | 65.0 | 66.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 65.0 |
日本大学 | 67.5 | 66.0 | 67.5 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 |
福岡大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 |
岩手医科大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
国際医療 福祉大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
杏林大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
帝京大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
東京女子 医科大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
愛知医科大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
藤田医科 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
兵庫医科大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
東海大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
聖マリアンナ 医科大学 | 62.5 | 64.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 62.5 | 62.5 |
川崎医科大学 | 62.5 | 62.5 | 60.0 | 62.5 | 62.5 | 65.0 | 62.5 |
獨協医科大学 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 |
北里大学 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 |
埼玉医科大学 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 | 62.5 |
参考:https://ishin.kawai-juku.ac.jp/
②国公立大学
大学名 | 2020 予想 | 平均 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
東京大学 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 |
京都大学 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 72.5 | 70.0 | 72.5 |
大阪大学 | 70.0 | 70.5 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 72.5 |
東京医科歯科大学 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 70.0 |
千葉大学 | 67.5 | 68.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 | 67.5 | 70.0 |
山梨大学※ | 67.5 | 68.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 | 70.0 | 67.5 |
神戸大学 | 67.5 | 68.0 | 67.5 | 67.5 | 70.0 | 67.5 | 67.5 |
東北大学 | 67.5 | 68.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 | 67.5 |
九州大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
弘前大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
名古屋大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
広島大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
岐阜大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
三重大学 | 65.0 | 67.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
長崎大学 | 65.0 | 67.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 65.0 | 67.5 |
筑波大学 | 67.5 | 67.0 | 67.5 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
岡山大学 | 65.0 | 66.5 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
北海道大学 | 67.5 | 66.5 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
熊本大学 | 65.0 | 66.0 | 65.0 | 62.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
金沢大学 | 65.0 | 66.0 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 67.5 | 65.0 |
愛媛大学 | 65.0 | 66.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 | 65.0 |
滋賀医科大学 | 65.0 | 66.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 67.5 |
山口大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 |
高知大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 65.0 |
旭川医科大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 |
浜松医科大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 65.0 |
宮崎大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
大分大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
新潟大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
群馬大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
鳥取大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
島根大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
香川大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
鹿児島大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
琉球大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
信州大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
富山大学 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
福井大学 | 62.5 | 64.5 | 62.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
佐賀大学 | 65.0 | 64.5 | 62.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
徳島大学 | 62.5 | 64.0 | 62.5 | 62.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 |
山形大学 | 62.5 | 64.0 | 62.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 62.5 |
秋田大学 | 62.5 | 63.0 | 62.5 | 65.0 | 60.0 | 65.0 | 62.5 |
大学名 | 2020 予想 | 平均 | 2019 | 2018 | 2017 | 2016 | 2015 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
奈良県立医科大学 | 67.5 | 69.0 | 67.5 | 70.0 | 70.0 | 70.0 | 67.5 |
京都府立医科大学 | 67.5 | 68.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 70.0 |
大阪市立大学 | 70.0 | 68.0 | 70.0 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
横浜市立大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
名古屋市立大学 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 | 67.5 |
和歌山県立医科大学 | 67.5 | 66.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 | 65.0 | 67.5 |
福島県立医科大学 | 65.0 | 65.5 | 65.0 | 65.0 | 67.5 | 65.0 | 65.0 |
札幌医科大学 | 62.5 | 63.5 | 62.5 | 65.0 | 62.5 | 62.5 | 65.0 |
参考:https://ishin.kawai-juku.ac.jp/
③分析
見ていただければ分かるように、ここ数年で偏差値の変動があった大学はごくわずかであり、それも不祥事が明るみとなった東京医科大学をはじめとする数校のみにとどまっています。
平均的な偏差値が65であり、慶應義塾大学や早稲田大学の理工学部の偏差値以上の数値であることからも、医学部の偏差値が近年になってもほとんど変化していないということが伺えると思います。
※東京女子医科大学は2021年度入学者から、6年間での学費を合計1400万円上げることを公表しており、通例でいくと偏差値の大幅な下落が見込まれます。
(3)ただし1年間で医学部受験を制するのは不可能ではない
上記2種類のデータから、医学部入学がかなり難易度の高いものであると理解していただけたかと思います。
実は本当に効果的な対策を行うことができれば、医学部に1年間で進学することは不可能ではありません。
実際に現役で医学部を受験して合格していく人も4割程度いるわけで、どれだけ医学部入試が難しかろうとも一定数はきちんとした方法で努力し、毎年医学部受験を1年間で攻略しているということが分かります。
2.1年間で医学部受験を終わらせるたった一つのコツ
では、医学部受験を1年間で攻略しようと思うと、どのようなことを具体的に行っていけばよいのでしょうか?
何も情報を持っていないと、とにかくやるべきことが多いように見えて、いったい何をやればいいのか全く分からず最初からつまずいてしまうということが起こりえます。
しかしながら、実は1年間で医学部受験を終わらせるコツはたった一つしかありません。
それが、「危機感を持つ」ということです。
なんだ、そんなことか、と思われるかもしれませんが、このコツはかなり重要で、1年間で医学部受験を突破できない人の大半がこの視点を見落としています。
以降、この視点についてより深く解説していきます。
(1)医学部に1年で受かる者に共通するのは「危機感」
皆さんは「危機感」と聞いて何を想像されるでしょうか?
災害における危機感でしょうか?それとも何かトラブルに巻き込まれないように感じる危機感でしょうか?
いずれにせよ、危機感は何か物事を成し遂げるとき(災害なら逃げる、トラブルなら避ける)に感じるものです。
そして、これは受験に関しても全く同じで、「危機感」をもって一年間(現役生なら高校三年生)を過ごせた方が、より目標を達成することが簡単になっていきます。
例えば、普段から何気なく受けている模試であれば、危機感を抱くことで、「何を」「いつまでに」やればいいかが明確に見えるようになってきます。また、定期試験であっても同じように目標をいかにして達成していくのかということが容易く分かるようになります。
簡単にまとめると以下のようになります。
医学部受験を1年間で終わらせる危機感を持つ
↓
目的が明確化され、やるべきことも明確になりやすい
↓
目標達成のプロセスが明確になる
(2)実際に医学部受験を1年で終わらせた実例
医学部受験を1年間で終わらせたAさんの実例をお示ししましょう。
Aさんの実例
元々文系受験生であったが、医学部受験に方針転換。
1年間の浪人を経て部位に上位医学部への合格を果たす。
簡単に紹介しましたが、Aさんはもともと文系受験生でした。途中で医師になりたいという思いから医学部受験に切り替えますが、周囲とのあまりの差に愕然とし、かなりの危機感を抱きます。
そこから、Aさんは目標、そしてその達成のプロセスを明確にし、最終的には1年間で医学部受験を終わらせることができました。
Aさんは、受験開始前にしっかりとした「危機感」を抱くことができました。これが最終的な短期での合格に結び付いています。
3.「危機感」をもって実際に努力すべき3つの項目
では、「危機感」を持ってから具体的に何をすべきなのか?
それを以下3つほど示していきます。
(1)1年間のスケジュールをしっかり立てる
まずは、どんな受験でもそうですが1年間のスケジュールをしっかり立てるというところから始まります。
その中でも以下の3つの項目をしっかりと守ってスケジュールを立てていって下さい。
①苦手科目・得意科目の把握
苦手科目の把握は、自分がつぶすべき分野を明確にすることも忘れずに行って下さい。
平均的な合格点さえ取れれば合格できる医学部受験では、べらぼうに高い点数を取るよりも「悪くない」点数を取ることが必要です。
そのためには「苦手科目」を人並みにできるようにすること、そして得意科目で他の人に差をつけることが重要です。
②やるべきことを明確に
苦手科目、得意科目をいかに把握したとしても、何をやればいいのか分からないのでは意味がありません。
学校の先生や、塾、予備校の先生を頼ってやるべきことを明確にしてください。やるべき課題、やるべき問題集など考えるだけでも多数上がってくると思います。
③小さな目標を立てる
そして忘れてはならないのが、「小さな目標を立てる」ということ。
大きな目標、例えば「○○大医学部」に合格するなどの漠然とした目標は掲げるだけ気持ちいですし、非常に大きなモチベーションの元となりますが、具体的な行動が伴いにくい分、あまり合格に近づくとは言い難いです。
対して、例えば次の模試までに「生物の偏差値を5上げる」などであれば、非常に現実的な目標であり、そこに至るまでの戦略をより具体的に立てることが可能となります。
(2)最終的に求められるレベル達成までの現実的な道筋を描く
「スケジュールを立てる」の解説でもお話ししましたが、目標を立てて具体的な行動をとっていくというのが、医学部受験を1年間で終わらせるための基本になります。
また、医学部受験において必要となる偏差値は平均的に65程度ですから、そこに至るまでの「現実的な」道筋を描くことが重要です。
例えば、明後日までにこの問題集をすべて終わらせる、など不可能な目標は立てないこと。そしてそれに伴う行動も行わないこと。
無論、数ページだけの問題集なら問題はないのですが、徹夜で問題集を終わらせるなどの行為は100害あって1利なしですのでやめておきましょう。
(3)積極的に勉強リソースを活用する
最後に、一番見落としがちなポイントですが、背局的に「勉強リソース」を活用するということも大切です。
例えば、医学部に先に進学している兄弟や姉妹のアドバイスを受ける、両親の意見を聞いてみる、親友や友達に相談してみるなどが有効でしょう。
なお、言うまでもなく蛇の道は蛇という言葉(ここで相応しいかどうかは分かりませんが)の通り、医学部受験のことはその道に詳しいプロに聞くのが一番でしょう。
医学部専門予備校など、医学部受験を専門としている機関にはかなり医学部情報に詳しい人間がいますから、そういうところを頼ってみるというのも一つの手でしょう。
塾生、予備校生でなくともかなり親身になって相談に乗ってくれるところが多いです。
まとめ
言われてみると一見簡単でシンプルなことのように思えることが多かったかもしれませんが、意外と多くの医学部受験生はこれらのことができていないことが多いです。
つまり、今回ご紹介したようなことをしっかりと実践することができれば、1年間での医学部受験突破も不可能ではないということになります。
是非隅々まで読み込んで、皆さんの医学部受験に役立てて下さい。
この記事を読まれた皆さんが無事、一年間で希望の医学部に入学されることをお祈りしております。