医学部再受験で合格を勝ち取るための基本情報

医学部再受験で合格を勝ち取るための基本情報

「大学に入ったけれど、医学部に入りなおしたい」「大学を卒業して、社会人になったけれど、医者になる夢が捨てきれない」など、人それぞれの思いや理由があって、医学部を再受験されます。

 

巷では、「医学部の再受験は、現役生に比べて不利に扱われるのではないか」などという噂が、まことしやかに流れていますが、果たしてそうでしょうか?

 

とはいえ、実際に、医学部の再受験を目指す方にとっては、単に噂だと切り捨てることもできないでしょう。

 

この記事では、噂の真相も含めて、医学部再受験で合格を勝ち取るために、これだけは知っておきたいという情報を集めました。志望校選びのヒントにご活用ください。

 

医学部の再受験は、どのような人が受けるのか?

最初に、再受験とは、どういうことを言うのかを確認しておきましょう。

 

再受験とは、入学した学校を卒業してから、または中退後に、他学部や他学科から、進路を変更することを言います。また、大学卒業後、社会人になった後、もう一度、医学部を受験する場合もあります。

 

浪人とは、高校卒業後、大学入試に失敗し、再チャレンジすることを言いますから、再受験とは異なります。

 

他の学部、学科でも、一定数の再受験者はいますが、特に、医学部では、再受験者の数は、他学部に比べると顕著です。それは、なぜでしょう?

 

一つには、医学部入試の難しさが考えられます。

 

現役で、学校生活を送りながら、医学部合格を勝ち取るのは、至難の業です。それで、医者になりたいという願望がありながら、他学部で妥協してしまったという場合もあります。社会人になってからも、医者になりたいという思いが捨てきれず、再受験を決意する方も多いです。

 

それに、「医者」「医学の道」という壮大な夢が、人を鼓舞し続けるという側面もあります。

医学部の再受験には、2通りの方法がある!

医学部の再受験には、一般入試と編入試験を受験する方法があります。

 

現役生や浪人生の大半の人が受けるのが、一般入試です。この試験は、高校を卒業していれば、どなたでも受験できます。

 

もう一つの方法は、編入試験を受ける方法です。編入試験に合格すれば、大学で取得した単位を生かすことができ、教養課程が免除され、1年や2年を飛ばして入学できます。

 

ただし、編入試験のための受験資格には、特定単位の取得やTOEICの点数など厳密に規定されています。そのうえ、募集人員が少なく、倍率も高く、その結果、難易度は非常に高くなっています。

 

ちなみに、2016年度富山大学医学部を例に見てみると、

 

2016年度富山大学医学部
  定員 志願者 倍率
一般試験 105人 823人 7.8倍
編入試験 5人 153人 31.6倍

 

以上の点から、再受験者の多くが、一般試験を受験します。一般試験を選択する方が、現実的だと言えるでしょう。

医学部の再受験をするために知っておきたいこと!

(1)医学部の再受験生は、現役生より不利?

 

どこの医学部でも、「浪人生や再受験生に不利な扱いをしています」と明言している大学はありません。

 

ところが、実際の合格者の現役生と浪人生の比率をみると、大学によって割合に大きな開きがあります。

 

ちなみに、2015年度の医学部合格者の浪人比を見てみると、

 

2015年度の医学部合格者の浪人比
大学名 全体の浪人生の割合
京都大学 29.7%
東京大学 31.0%
慶応大学 41.8%
兵庫医科大学 84.1%
福岡大学 89.2%

 

もちろん、この数字は、年度によって変動しますが、傾向は変わりません。これだけ大きな開きがあるということは、大学による作為的なものがあると考えることができます。

 

大学によっては、年齢が高い再受験生の場合、テストの成績だけでなく、面接試験の点数や年齢も加味されているということを証明しています。

(2)医学部の再受験には、寛容度を知ることが重要!

 

寛容度とは、テストの成績に、年齢などを考慮して合否を決めるかどうかのことを言います。

 

もちろん、再受験生に対して厳しい大学においても、再受験生が合格しているわけですが、あえて、再受験生に厳しい大学を選択して、合格の確率を下げるかどうかという問題になります。

 

寛容度の高低は、厳然としてあるわけですから、合格を目指す再受験生にとって、志望校選びの一つの指標にはなると思います。

 

今までは、国立大学医学部では、面接試験を課さない大学もありました。2020年度からは、どの医学部でも面接試験を課すようになりましたので、面接試験突破は避けて通れなくなりました。

 

では、具体的に、大学別の寛容度をチェックしましょう。

 

寛容度が高い大学:東京大学、大阪大学、富山大学、三重大学、九州大学、奈良県立医科大学、熊本大学など。

 

寛容度が厳しい大学:北海道大学、弘前大学、群馬大学、防衛医科大学、京都大学、徳島大学、鹿児島大学、京都府立大学など。

(3)医学部の再受験には、年齢は重要?30代以上だと不利になる?

 

年齢が合否に関係するかどうかは、再受験生にとっては、自分自身の合否に直結する切実な問題です。

 

入学者の年齢別割合を発表している大学もありますから、志望校を決める際には要チェック。入試の合否に、年齢を加味するのは、差別的ではないかという意見もないわけではありません。

 

しかし、医者を育てるという使命を持っている大学、特に、多くの税金を使う国公立大学医学部の場合、致し方ないという側面もあります。

 

なぜなら、医者になるためには、医学部6年に加えて、2年間の臨床研修があります。また、医者の仕事は、体力的、精神的にとてもハードで、タフさが求められます。このような理由から、年齢の高い受験生が敬遠されるのが実情です。

 

医者になって、長く医者としてキャリアを重ねてほしいと願われるのは当然のことですから、再受験生は、特に、30代以上の再受験生の場合は、年齢に厳しい大学は避けた方が賢明と言えるでしょう。

(4)勉強は、少しずつ始める!

 

世界的な情勢の変化に伴い、医学部人気が、年々高まっています。

 

今までも、医学部の難易度は、他学部、他学科に比べて、相当高かったのですが、医学部人気の高まりで、その傾向はますます顕著になっています。

 

特に、医学部再受験生の場合、現役生や浪人生に比べると、受験勉強に対するブランクがありますから、生半可な覚悟では合格を勝ち取ることはできません。

 

とはいえ、受験は長丁場ですから、息切れしてしまっては、元も子もありません。車のスピードを徐々に上げていくように、勉強のペースも最初から飛ばさず、徐々に上げていくようにすればいいでしょう。

 

「倦まず弛まず(うまずたゆまず)」、ゴール目指して、走り抜きましょう。

医学部再受験の大学の選び方

現役生の時なら、難易度だけを考えて、大学選びをしても、問題はありませんでした。

 

しかし、ここまで書いてきたように、再受験生の場合、年齢や、大学側が再受験生をどのように扱っているのかも考え合わせる必要があります。

 

志望大学の再受験生受け入れに対する姿勢は、しっかり確認しておきましょう。また、年齢も大きな問題となります。特に、30歳を超えている方の場合は、過去の合格者実績などをしっかりチェックすることが大切です。

 

せっかく、試験で合格点に達したのに、年齢で落とされるのは、つらいですものね。

 

実際、群馬大学では、過去に、50代の主婦が受験、試験では合格点に達していたにも関わらず、不合格となり、裁判沙汰にまでなったことがありました。この裁判では、裁判が棄却されたので、結論は出ていませんが、受験生が合格を勝ち取ることはできませんでした。

 

50代という極端な例ではないにしても、医学部の場合、年齢は大きな比重になりますから、大学選びは、慎重に行ってください。

医学部再受験を目指す人へのアドバイス実例集

実際に、医学部再受験をした人の体験談というのは、これから再受験しようとしている人にとっては、大きな指針になります。

 

代表的な実例を集めてみました。

(1)医学部再受験では、他の受験生に比べて面接は厳しいか?

 

「地方国立大学の医学部を受験します。
その大学は面接が点数化されていますが、年齢的には一浪の人たちと同じでも、再受験だと面接で厳しめに評価されるのでしょうか」

 

という問いに対して、

 

「21歳で再受験しましたが、むしろ『若いね』と言われました。再受験に寛容な大学だからというのもあるかもしれません。面接点は、現役生よりも多少は減らされるのを覚悟しておいてもいいんじゃないでしょうか」

 

という実体験が語られています。

 

おおいに参考になりますね。

 

参照元:YAHOO!JAPAN 知恵袋

(2)23歳の医学部再受験生ですが、高齢な部類に入るのでしょうか?

 

「今年、24歳になる、23歳の医学部再受験生ですが、自分の年齢って、医学部再受験生の中では、高齢の部類に入るのでしょうか?」という問いに対して、

 

「一度大学を卒業されている方の場合は、20代後半が中央値になるのではないでしょうか」
「最高齢でないとしても、高齢の部類に入ると思いますよ」

 

と意見が分かれましたが、決して若い方ではないことに変わりはありません。

 

20代前半なので、そのまま合格すれば、決して高齢扱いにはならないと考えられます。

 

ただ、大学によって、年齢の基準が異なりますから、受験大学の傾向を知っておくことはとても大切なことです。

 

参照元:YAHOO!JAPAN 知恵袋

まとめ

再受験で、医学部の合格を目指す方が知りたい情報をまとめました。

 

特に、再受験が医学部入試で不利になるか、年齢はどう扱われるかは一番お知りになりたいことだと思います。

 

この記事でも明らかになりましたように、その答えは、大学によるということです。つまり、再受験で、医学部の合格を勝ち取ろうとされるなら、特に志望校選びは、合否に大きな影響を与えます。

 

難易度だけでなく、寛容度などもしっかり確認されることをおすすめします。

 

孫子が言っているように、「敵を知り己を知れば百戦殆うからず」です。必要な志望校(=敵)の情報を知って、合格という栄冠を勝ち取ってください。

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