医学部への入学を志望する場合、どのタイミングで医学部に照準を合わせた受験勉強を始めるべきか悩んでいる学生や保護者の方も多いと思います。
早い人では幼児の段階から医学部受験に向けた教育を保護者が始め、遅くとも高校生の時点までには医学部入学のための受験勉強を始める必要があります。
中学生の時に本人または保護者が医学部入学を希望している場合には、その時点から受験勉強を始める必要があります。
ここでは中学生の時から医学部入学に向けた受験勉強を始めるメリットや、保護者にできるサポートなどを詳しく解説していきます。
1.中学生から医学部受験の準備を始めるのは早すぎる?
中学生から医学部受験の準備を始めるのは、早すぎるのではないかと考える方も少なくないでしょう。
しかし、最難関医学部の合格者の多くは中学生の時点から受験勉強を始めているという事実があります。
この中学生の時から受験勉強を始めている人のほとんどは、中高一貫校の在学生です。
中高一貫校では中学生の時点から、特に英語と数学に力を入れた教育が行われることが多く、この点が医学部受験に非常に有利に働きます。
中高一貫校ではなく普通の中学校に在学していても、その期間に英語と数学に力を入れて勉強していれば、高校に入学した時点で他の学生に対して大きくリードできます。
医学部受験では受験生同士の真剣勝負となるため、中学校卒業時までにどの程度学力を身につけたかどうかという点が、合格のための非常に重要なカギとなるのです。
2.中学生から医学部受験の準備を始めるメリットとは
中学生から医学部受験に向けた勉強を始めるということには、非常に大きなメリットがあります。
ここでは、そのメリットについて解説していきます。
(1)勉強へのモチベーションを上げることができる
中学生と言えば、まだ遊びたい盛りの人も多くいることと思います。
また、まだ将来どのような職業に就きたいかということも明確になっていないため、どのような事に力を入れたら良いのかわかっていない場合もあるでしょう。
このような中学生の時期に、医学部合格という具体的な目標を持つことで、勉強に対するモチベーションを上げることができます。
医学部に入学するためには、高い学力が必要であるということは中学生であっても分かっているでしょう。そのため、医学部に合格するためには猛勉強が必要であることも自然と理解できます。
このようにして医学部合格というしっかりとした目標を持つことで、中学生の時点から勉強に対して高いモチベーションを持つことができます。
(2)余裕をもって勉強を行うことができるため部活との両立も容易
医学部を目指す受験生は、年々増加傾向にあります。
そのような中で、中学生から受験勉強を始めることは時間的な余裕を持つことができるというメリットがあります。
医学部受験の準備を始めるのは、早ければ早いほど他の受験生に対して優位に立つことができます。
また医学部受験まで中高合わせて6年間の時間があるため、部活や課外活動と受験勉強を両立しながら行うことも決して不可能ではありません。
高校生から受験勉強を始める人よりも約2倍の時間を医学部の受験勉強に費やすことができるという点は、非常に大きなメリットであるといえます。
(3)勉強することを習慣づけることができる
この点は医学部以外の学部を志望する人にも言えることですが、中学生の時に医学部受験という目標を立て、勉強に対して高いモチベーションを持った場合、毎日勉強を行うという習慣を身につけることができます。
勉強はどの教科もコツコツと積み上げていくものであるため、毎日の勉強を習慣とすることで高い学力を身につけることができます。
(4)自己管理能力を身につけることができる
毎日勉強する習慣を身につけるためには、自己管理能力が必要不可欠です。
そのため毎日勉強する必要性が出てきて、かつ自分も勉強をしなければという意識が高くなればなるほど、本人も自己管理に気を付けるようになります。
自己管理能力を身につけるためには長い時間が必要となります。
そこで、このように毎日勉強をするために自己管理を続けていくことで、自然と高い自己管理能力を身につけることができるようになります。
(5)5教科全てを網羅する必要があるため進路変更も容易
医学部受験のための中学生からの勉強は、大学入学共通テストを受験することを念頭に置いて5教科全てにおいて良い成績を取っておく必要があります。
このように、まんべんなく5教科の学力を上げていくために勉強するので、受験の前に進路を変更したくなった場合であっても学力に問題がないことが多く、進路変更が比較的容易にできます。
3.中学生の時点で医学部受験勉強を始めることにデメリットはあるのか?
中学生が医学部受験のための準備を始めることに、デメリットはあるのでしょうか。
答えは「NO」です。
医学部合格という目標に向けて勉強する習慣や自己管理能力を身につけることができ、また高校生になってから医学部受験のための準備を始める場合よりも時間的余裕があるため、部活動や課外活動にも時間を費やすことができます。
このように中学生の時から医学部受験の準備を始めることには非常にメリットが多く、デメリットは見つからないといえるでしょう。
4.中高一貫校でない場合には特別な勉強法が必要?
一般的な中学校に通っている場合には、特別な勉強法を行う必要があります。
中高一貫校では中学生の時から大学受験を見据えたカリキュラムが組まれていますが、一般的な中学校では高校入試を目標としたカリキュラムが組まれています。
そのため、一般的な中学校は中高一貫校に比べて医学部受験には不利になってしまう可能性があります。また、進学する高校も医学部への進学実績が高い難関高校を目指す必要があります。
そのためには塾や家庭教師を活用して、一般的な中学校で学習する内容よりも高いレベルの学力を身につけておくことが重要です。
5.保護者にはどのようなサポートができるのか
自分の子どもが中学生の時点で医学部を志望した時、保護者にはどのようなサポートができるのでしょうか。
ここでは、医学部合格のために保護者ができるサポートの方法について解説していきます。
(1)自己管理が身に付くまでは保護者が勉強時間などを管理する
中学生の子どもに、いきなり自己管理能力が身につくわけではありません。
自己管理能力は、日々の努力の積み重ねで徐々に形成されていくものです。
そのため、子ども自身にしっかりとした自己管理能力が身につくまでは、ある程度保護者が勉強時間などを管理して、次第に自分で自分の生活を管理できるようになるようにサポートしていくことが大切です。
子どもに医学部受験のための自覚が備わり、保護者のサポートを受けることによって子ども自身に自然と自己管理能力が備わってきます。
(2)経済的な面からの支援
一般的な中学校では、医学部合格のための高い学力を身につけるためには学校のカリキュラムだけでは足りないケースも考えられます。
そのような場合には塾や予備校に通わせたり、参考書や問題集などの必要な教材を買い与えたりする必要が出てきます。
また、中高一貫校の場合は一般的な中学校に比べて授業料が割高になります。
このような場合、もちろん高額なお金が必要になるため、保護者が経済的な面から支援することも非常に重要になってきます。
このように経済的な面から子どもの医学部受験をサポートするときに、決してお金がかかることに文句を言ってはいけません。
医学部に合格した後も特に私立医学部に関していえば、これまで受験のために費やしてきた以上の金額が授業料として必要になることが考えられます。
そのため、子どもを経済面からしっかりとサポートするためにも学資保険や預金など、子どもが生まれた時点から教育資金の準備を行っておく必要があります。
(3)医学部受験に関する情報を集める
子どもが医師になりたいと思って勉強している場合、具体的に志望校まで決まっていたほうが勉強に対するモチベーションは上がりやすくなります。
志望校を決めるためには、自分の子どもに合った医学部を探す必要があります。
そのためにはオープンキャンパスや文化祭など、志望校の候補となる医学部がある大学の雰囲気を実際に感じたり、パンフレットを集めるなどして医学部ごとの特徴について知っておいたりする必要があります。
やみくもに医学部に合格することだけを考えず、子どもに合った医学部を志望校にするために情報収集を行うことも、保護者にできるサポートの1つであるといえます。
(4)勉強に集中しやすい環境を整える
高いレベルの勉強ができる学校に入学させたり、必要な教材を買い与えたり、勉強に集中しやすい部屋を与えたりするなどして、勉強に集中できる環境づくりをしてあげることも重要です。
保護者のこうしたサポートなしに医学部に合格することは、子どもがいくら一人で勉強に打ち込んでも難しいというのが実情です。
勉強に必要な環境を整えてあげることで、子どもは勉強に打ち込むことができ、医学部合格のために必死に努力するようになるでしょう。
まとめ
ここまで、中学生の時から医学部を目指すことのメリットや、特別な勉強が必要かどうかという点、そして保護者にできるサポートについて解説してきました。
中学生の時から医学部受験のための準備を始めるということは、決して早すぎるわけではなく、またメリットも多いことがお分かりいただけたと思います。
しかし、中学生と言えばまだ幼さが残る年ごろでもあるため、保護者のサポートは必要不可欠です。
中学生がから医学部受験の準備を始めるメリットを十分に活かすためにも、保護者の方は手厚いサポートをしてあげるよう心がけるようにしましょう。