医学部受験でオープンキャンパスに行く

医学部受験でオープンキャンパスに行くメリットを解説

近年、医学部受験の難易度は上昇傾向にあります。

その大きな理由の一つに、「志望校に合格しているのをイメージしにくい」からということが挙げられます。

将来的な自分の通う大学がイメージしにくいことで、普段の勉強のモチベーションが下がり、結果的に合格まで結び付きにくいということが言えるでしょう。

そんな中、全国の各医学部は「オープンキャンパス」というものを開催し、受験生に対して医学部入学後の生活をイメージできるようないい機会を提供してくれています。

今回はそんなオープンキャンパスについて、どうすれば失敗しないのか、どういうところに気を付けて参加すればいいのか、ということを掘り下げていきます。

1.医学部のオープンキャンパスに行くべき5つの理由

この記事の最初でも少し説明しましたが、なぜ医学部のオープンキャンパスには参加すべきなのでしょうか?

その理由を以下に簡単にまとめてみました。

(1)将来の医学部生活を想像できる

(2)合格した後にやりたいことを想像できる

(3)志望校のキャンパスに親近感を抱くことができる

(4)その大学に合格したい気持ちを高めることができる

(5)志望校の受験の傾向などを試験担当者から直接聞くことができる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

(1)将来の医学部生活を想像できる

まず、冒頭でも説明した通り、1年間(現役生は数か月)勉強を継続させるだけの強烈なモチベーションというものは、なかなか維持するのが難しいです。

そのモチベーションを保つために必要なことが、やはり「医学部に入ってから」の生活を想像、イメージできるような経験です。この経験を簡単にできるのが、医学部のオープンキャンパス、ということです。

例えば、医学部での勉強はどんなことをしているのか。実際の医学部生はキャンパス内でどんな生活をしているのか。また周辺にはどんな施設があって、どんな楽しみがあるのかなど、その場所に行かなければ具体的にイメージできないようなことを、オープンキャンパスでは経験できます。

また、多くの大学では現役の医学部生がお悩み相談コーナー、のような形で受験生の悩みを聞いてくれるような企画も実施されています。

実際に医学部受験を乗り越えてきた、現役の医学部生により効率のいい勉強法などを聞く事もできますし、その志望校の入試問題の特徴なんかを教えてくれる場合もあります。

このように、実際の医学部生活を具体的にイメージできるようになれば、大きなモチベーションアップにつながり、勉強にも身が入ることは間違いありません。

(2)合格した後にやりたいことを想像できる

これは(1)に関連したことではありますが、やはりオープンキャンパスに行くと、合格後の生活まで思い描くことができるようになります。

綺麗なキャンパスの大学なのであれば、「彼氏彼女とデートをしているところを思い浮かべる」といったことや、近くにおいしいごはん屋さんがあるのであれば「合格すればこういうところに行き放題だな」などです。

さらには、合格してから自分がやりたいこと、例えば旅行やゲームなど受験勉強をしている間は決してできなかったようなことに挑戦してみたい、という希望が生まれてくるはずです。

こういった、「勉強以外」の活動に対する意欲は、結果的には受験勉強にも良い結果を生み出してくれます。

(3)志望校のキャンパスに親近感を抱くことができる

人間は、一度も訪れたことのないような場所に対しては少し拒否感を示してしまうという性質があります。

例えば、普段通いなれている高校や予備校で受験する試験と、一度も行ったことのないような場所で受ける試験では当然結果も変わってきます。

しかし、一度でもその場所に行ったことがあれば、かなりリラックスして試験に挑むことができます。さらに、面接試験などがその大学の教室で行われる場合はなおさら一回でも行ったことがあるかないか、は大きな違いになってくるでしょう。

そういう意味で、オープンキャンパスで志望校を訪れるというのは非常に大切なことになってきます。

(4)その大学に合格したい気持ちを高めることができる

似た内容の繰り返しになりますが、オープンキャンパスに行くとその大学に合格したいという気持ちを高めることができます。

オープンキャンパスでは、基本的にその大学のいいところしか紹介しませんが、実際には学内の様々な場所をフリーで巡ることができる場合が多いです。

例えば生活感のあふれる部活棟であるとか、かなり格安で食事ができる食堂、体育館や広大な運動場なんかもそうでしょう。

その大学の「本当にいい面」を、見ることができる上に将来的な医学部内での生活まで想像できるようになるわけですから、合格したいという気持ちも自ずと高まってくるでしょう。

(5)志望校の受験の傾向などを試験担当者から直接聞くことができる

各大学が実施しているオープンキャンパスで最も大きな特徴は、実際の入試担当者から、前年度の試験問題の傾向や出題意図を聞けるということでしょう。

例えば、実際の数学の試験問題や、生物、化学の試験問題には大学が受験生に求める能力や知識というものが、必ず散りばめられています。

したがって、医学部受験では過去問演習をして、それら大学が求める知識や能力について分析が必要になってくるわけです。しかしながら、これがオープンキャンパスに行くと、実際にその問題を作ったと思われる担当者の「本当の意図」を聞く事ができます。

例えば、「この問題は昨年度非常に正答率が悪かったですが、本学の求める人材はこの問題を解けるような人であってほしいです」のように、試験担当者の本音を聞けば、次年度の試験の傾向なども自ずと想像がつき、さらに勉強にも生かすことができるというメリットずくめとなっています。

大学内を見るという意味でもオープンキャンパスは大事ですが、入試対策という意味でも非常に意義のある時間を過ごすことができます。

2.医学部のオープンキャンパスに行くべきでない人はこんな人

ここまで、医学部のオープンキャンパスに行くべき理由を解説してきましたが、実は行くべきでない人も確かに存在します。

そんな、オープンキャンパスに行くべきでない人の特徴は以下の3つです。

(1)基礎的な内容が全く固まっておらず入試までほとんど時間がない人

(2)正直医学部であればどこでも構わない人

(3)1秒でも多く自分の勉強に費やしたい人

それぞれ見ていきましょう。

(1)基礎的な内容が全く固まっておらず入試までほとんど時間がない人

まずは「基礎が全く固まっていない」場合。

特に入試までの時間が半年以下という場合は、オープンキャンパスに行くよりもむしろ基礎的な学力をつけることに専念した方が良いでしょう。

どれだけオープンキャンパスが受験に有利に働くと言っても、基本的な学力がついていない状態では、どれだけ受験に有利な情報を聞いたとしても意味がありません。

もちろん、長い目で見て最終的に医学部に合格できればいいや、と言う場合はその限りではありません。しかし、大半の場合は最短で合格したいと考えるはずでしょうから、基礎が固まっていない、と言う場合は基礎の勉強を優先するようにしましょう。

(2)正直医学部であればどこでも構わない人

これは本当に一部の人だけでしょうが、「正直医学部であればどこでもいい」という場合は、オープンキャンパスに行かなくても大丈夫でしょう。

例えば、医師になりたいから医学部を目指すが、正直医師になれるならどこの大学でもいい。校風やキャンパスのキレイさは気にしないと言う場合は、むしろ勉強の時間が削られてしまうわけですから、行かないという選択肢も大いにありでしょう。

ただし、医学部の生活というものは一部の大学を除き、どの大学でも基本的には似たところがあります。例え、どこでもいいという場合でも何校か選んで参加してみるのも良いでしょう。

(3)1秒でも多く自分の勉強に費やしたい人

最後は、1秒でも勉強に費やしていたいという場合です。

この場合は、勉強が好きすぎてしようがないという場合に適用できるかと思いますが、実際にはそんな人間はごく少数ですので、基本的にはオープンキャンパスに参加することをお勧めします。

3.医学部のオープンキャンパスで本当に見るべきポイント

それでは、医学部のオープンキャンパスではどんなことに気を付けて参加すべきなのでしょうか?

3つほどまとめてみました。

(1)本来であれば見せられないようなところを見る

まずは、通常のオープンキャンパスや文化祭では見ることのできないところを見ようとする努力をした方が良いでしょう。

先ほども言った通り、大学側は受験生に良い印象を与えようとオープンキャンパスを実施するわけですから、基本的にはいいところ(きれいなところ)しか見せません。

しかしながら、一部の大学では大学が主体で案内する以外に、在学生が直接案内してくれたり、時にはフリーで学内を見学できたりする場合もあります。

ぜひ、そういう機会を使って、普段は見ることができないであろう、その大学の「素」を見るべきでしょう。

(2)在校生との相談ブースに行き、本音を聞く

(1)と似たような理由になりますが、極論を言えばオープンキャンパスでなくとも大学の入試担当者は大学について少しは情報を教えてくれますし、聞きたいこともある程度聞く事ができます。

しかしながら、これが在校生との対談になると、なかなかできない経験になってきます。

実際に現在進行形でその大学で勉強されている学生に、本当のところの生活などを聞いてみるのも一つの戦略でしょう。

(3)キャンパス周辺の環境を調べる

最後は、キャンパス周辺(特に食事処)を調べてみてください。

実際に大学に入学してみると分かりますが、食事処にバリエーションがあるというのは大学生活でも最も大きな差になってきます。

また、交通手段が充実しているか、公共施設はたくさんあるかなど、入学しなければわからないであろうことまで調べることをおすすめします。

入学してから「ちょっと違うな」と思っても、時すでに遅しです。

4.オープンキャンパスの情報を仕入れるときに注意すべきこと

最後にいくつかの注意点を示しておきます。

(1)大学に直接聞くのがベスト

どんな情報でもそうですが、最終的に迷ったり分からないなと思ったりしたら、大学に直接問い合わせるようにしましょう。

よっぽど門外不出な情報でない限り至極丁寧に教えてくれるはずです。

(2)その地方に密着した予備校、もしくは医学部専門予備校に相談しよう

最終手段として医学部専門予備校に相談するという方法があることも、頭の片隅に置いておきましょう。

医学部専門予備校には沢山の医学部生が在籍していますし、何より医学部受験のプロフェッショナルが沢山いますから、最新の医学部受験情報、オープンキャンパス情報を手に入れることができます。

もしも医学部受験のことで、困った、わからないとなったときは最後の望みとして医学部専門予備校に相談するという選択肢も残しておいた方がベターです。

まとめ

この記事では「オープンキャンパスに行くメリット」を解説してきました。

メリット、デメリット、そして見るべきところなどをたくさん紹介してきましたので、ぜひ実際のオープンキャンパスで活かしてみてください。

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