浪人で医学部を受験する際に知っておくべ

浪人で医学部を受験する際に知っておくべきポイント

日本には、国公立大学、私立大学をあわせて、82の医学部があります。

82の医学部について、難易度が非常に高い医学部から順番に、難易度にも幅があります。とはいえ、医学部の難易度は、他の学部、学科に比べて一般的に高いと言えます。

難易度が高い医学部の場合、勉強以外にもいろいろなことをしなければならない現役生が、一発合格を勝ち取るのは至難の業と言えるでしょう。そのため、他の学部、学科に比べて、浪人生の割合は高い傾向です。

この記事では、浪人で医学部合格を勝ち取るために必要な情報をまとめましたので、ぜひ参考になさってください。

1.現役生と浪人生の違い

現役生というのは、入試に一発合格を果たし、高校→医学部とストレートに進学できた人のことを言います。一方、浪人生というのは、大学入試に失敗し、もう一度、チャレンジする人のことを言います。

だれもが、一発合格を願い、勉強をするのですが、難易度が高い大学や学部、特に医学部の場合は、現役で合格することはとても難しいです。

実際、難易度の高い医学部の受験勉強をするためには、現役時代は、勉強以外にすることが多すぎます。その点、浪人生の場合は、勉強中心の生活を送ることができます。そのため、より深く基礎知識が身にけることができる場合も多いです。

また、「自分が医者になるということとは?」とじっくり、自分と向き合う時間を持てることもありますから、浪人として過ごす時間を無駄と考えないで、有意義に過ごせば、きっと将来に大きな実りをもたらすことでしょう。

2.医学部が他学部に比べて浪人生が多い理由

他学部に比べて、医学部に浪人生が多い最大の理由は、何度も言いますが、医学部の難易度の高さです。

医学部入試の教科数や範囲は、多岐にわたるため、いろいろなことをしなければならない現役生には、手に負えないという側面もあります。

また、もう一つの理由は、どうしても医学部に合格したい、何としても医者になりたいという思いが、他の学部の志望理由より強いことが考えられます。

家業が医者、あるいは、医者として社会的使命など、人によって医者になりたいという思いは異なりますが、医者になるためには、医学部を卒業して、国家試験に通らないと医者になれないということも大きな理由です。

3.医学部の浪人生の割合は、大学によって異なる!

医学部の現浪比における浪人の割合は、他学部、他学科に比べて高いです。

ところが、どの医学部でも同じ割合かというと、全国82の医学部によって、大きな開きがあります。

もちろん、試験年度によっても変動しますが、傾向として浪人が少ない大学から、浪人が多い大学まで大学によって異なります。

また、浪人と一言で言っても、浪人の年数にもよりますから、その点は、注意が必要です。1浪、2浪、3浪、4浪と年数が多くなれば、多くなるほど割合は少なくなります。

大学別では、国公立大学の方が、概して、現役生の割合が高くなります。ちなみに、現役比が高い大学は、上位から順番に、東京大学77.3%、京都大学65.7%、横浜市立大学63.2%です。

私立大学では、慶応義塾大学69.2%が、私立大学の中では突出して現役比が高いですが、東京女子医科大学49.6%、東京慈恵会医科大学49.5%と続きます。

公表されている中では、福岡大学が5.5%で最も、現役比が低いです。

4.医学部は、何浪までOK

もちろん、何浪以上になると、受験できないという決まりは、どの大学にもありません。

しかし、ある一定以上の浪人の場合、合格するのが難しくなる、暗黙のラインというものが存在しているのも事実です。

1)国公立大学の場合

端的に申し上げて、国公立大学の場合は、2浪までを目安にするといいでしょう。

もちろん、それ以上の浪人生も合格していないことはありません。ただ合格しにくいということを考えると、選択する際に考慮する方が賢明でしょう。

国公立大学では、一人の医者を養成するために、多額の税金が投入されています。そのため、少しでも、医者としての長いキャリアを歩んでほしいという大学側の思いがあるようです。

2)私立大学の場合

私立大学においても、その大学を卒業した医者が、長く医者として働いてくれるに越したことはないでしょう。

国公立大学に比べると、比較的柔軟です。

また、私立大学の場合、同年度に複数の大学を受験することができるため、浪人の年数を重ねている方も、多く受験できます。3浪以上でも、可能です。

5.浪人で医学部合格を勝ち取るためには、何ができる?

難易度の高い医学部の合格を勝ち取るためには、人一倍の努力が必要です。

同じ努力をするなら、「正しい」努力、「効果のある」方向性で頑張りましょう。

1)現役生時代の勉強方法の何が悪かったのかを反省、改善する!

難易度の高い医学部入試では、多くの教科や広い出題範囲の勉強をしなければなりません。

不合格になった原因、自分の弱点をしっかり見極めて、その部分の強化を図りましょう。弱点を補強し、得意分野を増強することが、点数のかさ上げにつながります。

また勉強方法の無駄や変な癖を洗い出しましょう。自己本位にならず、合格者や経験者に学んだりすることも大切です。

2)勉強を生活の中心にする!

浪人生の生活は、自分自身で組み立てることができます。

生活のほとんどを、医学部合格という一点に捧げることができます。休憩を適度にはさみながら、10~12時間ぐらいの勉強時間を確保しましょう。

「大変そう」と思うかもしれませんが、長い人生の中で、勉強さえしていればいいという時期は、浪人生の時だけの、恵まれた時間です。

ただ、眠る時間まで削って勉強するのは、NGです。

睡眠時間は、7時間前後は確保しましょう。夜型もおすすめできません。

体内リズムが崩れるのは、健康面でも、学習面でも、逆効果。入試は、午前中からあります。早い段階から、入試時間にベストなパフォーマンスができるようにすることが大切です。

3)友達との交流、遊びは避ける!

浪人生のつらいところは、同級生の大半が、大学生になり、彼女(彼氏)だ、バイトだ、合コンだと大学生活を謳歌しているのを、横目で眺めながら、受験勉強を続けなければならないところです。

実際、近くの同級生からお誘いがあるかもしれません。ここは、きっぱり、お誘いを絶ちましょう。

今や、友達だけでなく、あなたの机のまわりにも、あなたを惑わすものがあふれています。

スマホやゲームなどが、「いらっしゃい、いらっしゃい」と誘惑します。「少しだけならいいか!」と始めると、その罠から抜け出せないのが、常です。

あなたのまわりから、大学生になった友人や、スマホやゲームなどを遠ざけましょう。

ベストな方法は、同じ境遇の友人と、切磋琢磨することです。ライバルを見つければ、さぼりたくなった時、彼(彼女)が頑張っているのに、自分は遊んでいていいのかと、自分を奮い立たせることができますよ。

6.浪人で医学部に合格するためには、自宅?予備校?それぞれのメリット・デメリット

どのように、浪人生活を送るか、それぞれのメリット・デメリットをまとめました。

あなたに合った方法を見つけてください。

1)自宅浪人

予備校などに通わず、自宅で受験勉強をすることです。

通学などに時間を取られることがありませんし、通学途中のさまざまな誘惑をシャットアウトすることもできます。

なんといっても、一番のメリットは、すべての時間をあなたの計画通りに使えることでしょう。そして、経済的負担が、ほとんどない点もメリットになります。

ただ、1日中、家にいるため、時間のメリハリがつけにくく、だらだらしてしまうリスクがあります。また、意識的に体を動かさないと、運動不足になります。

さらに、受験や大学の動向などの情報が入手しにくいこともデメリットになります。もちろん、インターネットでどんな情報も入手できますが、あなた自身が積極的に収集しなければなりません。

2)予備校に通学

予備校に通う場合は、大学受験に対する蓄積されたノウハウを持つ予備校の教師から、勉強方法から、勉強のポイント、志望校の動向まで、指導してもらえます。

もちろん、それだけでは、合格を勝ち取ることはできません。予備校を核にしながら、あなた自身が組み立てていかなければならないことは言うまでもありません。

ただ、医学部合格を目指す場合は、予備校選びが大切です。一般的な予備校ではなく、医学部受験に特化した予備校がおすすめです。

同じような境遇の浪人生と切磋琢磨できる点もメリット。地方在住の方の場合、通学に時間が多く取られる場合もありますが、通学時間を有効に使えば、デメリットをメリットに変えることも可能です。

3)予備校の寮に入る

真剣に、医学部合格を最短で勝ち取りたいと考えている方におすすめなのが、予備校が運営している寮に入ることです。

なにより一番のメリットは、医学部受験ということ以外の雑音が入りにくいということです。自分を追い込むことができます。

さらに、寮内には、同じ境遇の医学部を目指す受験生がいますから、とてもいい刺激になります。

たいていの寮が、予備校の近くにありますので、通学時間などがかからず、あなたの時間のほとんどを受験勉強に費やすことができます。

ただ、費用がかなり掛かることがデメリットと言えるかもしれません。ご家族の理解や協力があれば、頼ってみてもいいかもしれません。

まとめ

浪人で、医学部合格を目指す方のための基本情報をまとめました。

情報を知って、活用することは、医学部合格の一助になることは間違いありません。

しかし、最後は、あなたの頑張りです。そこにすべてがかかっていると言っても過言ではありません。「倦まず弛まず(うまずたゆまず)」頑張る人には、輝く栄冠が待っています!頑張ってください。

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