医学部受験_部活

医学部受験と部活は両立できる?有利に医学部受験に臨むためには

現役での医学部合格を目指す高校生の皆さんの中には、部活を頑張っている人も多くいることと思います。

しかし、他の学部よりも格段に狭き門である医学部に合格するために部活を辞めて受験勉強の時間を捻出すべきかどうか、お悩みの方も少なくないでしょう。

はたして医学部の受験勉強と部活は、両立できないものなのでしょうか?

ここでは、医学部合格と部活の関係性について詳しく解説していきます。

1.部活と医学部の受験勉強は両立できるのか

部活と医学部合格のための受験勉強は、両立できるのでしょうか。

答えは、「できる」です。

しかし、現状では部活を受験勉強のために辞めてしまう人が多くいます。

ただし、もともと部活をしていなかったり途中で辞めてしまったりする人が、必ずしも医学部に合格できるわけではないことは、皆さんご存知のはずです。

逆に部活に三年生の最後の大会まで打ち込み、なおかつ医学部に合格してしまう人がいることも事実です。

このように部活と医学部合格のための両立は、本人のモチベーションと勉強時間捻出のための工夫と努力により可能であるといえます。

このように部活と受験勉強を両立させることができる人は、自らを厳しく律し努力を重ねることで医学部合格を実現させています。

部活と受験勉強の両立は、この自律と努力を惜しまない人であれば決して不可能なことではないのです。

2.部活と医学部受験を両立するために重要な事とは

部活と医学部受験を両立するためには、どのような事が重要になってくるのでしょうか。

以下に解説していきます。

(1)優先事項を決める

受験勉強と部活を両立させるためには、部活により削られてしまう勉強時間をいかに有効に使うかといった点がポイントになってきます。

そのためには勉強内容に優先順位を付け、順位の高いものから順番に勉強をこなし学力を身につけていく必要があります。

ここでは、優先すべき勉強のポイントを紹介していきます。

①苦手な教科を把握し克服する

まず一番目に重要なのは、自分が苦手とする教科を克服することです。

全ての国立医学部と一部の私立医学部では大学共通入学テストの受験が必須となっています。医学部合格のためには、大学共通入学テストの全ての教科で高い得点を得る必要が出てきます。

そのため1科目でも苦手な教科があると、その1科目が命取りとなり大学共通入学テストで志望する医学部の合格ラインを割ってしまう可能性が高くなります。

まず苦手な教科を把握し、克服することで全ての教科で高得点を得ることができるようにしましょう。

②医学部入試に欠かせない英語・数学・理科の基礎固めを行う

医学部入試の二次試験では、英語と数学、理科2科目の3教科4科目の学科試験が行われるケースが主流です。

苦手科目を克服し、全教科まんべんなく高得点をあげることができるようになったら、次は二次試験対策としてこの3教科4科目を重点的に勉強するようにしましょう。

ここで注意したいのは、優先すべきはあくまでこの3教科4科目の基礎固めで、いきなり難問に取り組む必要はないという点です。

これらの教科の基礎をしっかりと固めてから、徐々に高度な問題に取り組むようにしましょう。

③私立医学部入試の際に必要な他の科目の学力を上げる

志望する医学部が私立医学部の場合、英語·数学·理科以外の科目でも学科試験が行われることがあります。

そのために英語·数学·理科の基礎固めができたら、他の教科にも取り組みしっかりと基礎と応用を身につけておきましょう。

(2)受験勉強と部活のメリハリをしっかりとつける

医学部合格のための受験勉強と部活を両立するためには、受験勉強の時間と部活の時間にしっかりとメリハリをつけることが重要になってきます。

例えば部活が終わってからも、部活の友人同士でいつまでもお喋りに興じていては、ただでさえ部活で削られている受験勉強の時間をさらに短くしてしまいます。

しかし、部活の人間関係も壊さないようにするためには部活の友人や先輩·後輩たちとコミュニケーションを取ることも欠かせません。

そこで、毎日日課のように部活終了後の時間をお喋りなどに費やすのではなく、週に〇日まで、または〇時までというように部活とそれにかかわる物事に費やす時間をしっかりと決めて、それ以外の時間は受験勉強のために使うようにしましょう。

このように、部活自体の活動とその他の部員とのコミュニケーションなどの時間と、受験勉強の時間とを区切ってメリハリをつけて、受験勉強の時間を確保することが大切です。

(3)受験勉強の時間を確保するためにもスキマ時間を有効活用

部活と医学部合格のための受験勉強を両立するためには、とにかく勉強時間の確保が大切です。

そのためには10分、15分といった時間が空いたらこのような「スキマ時間」も受験勉強に役立てましょう。このようなスキマ時間には英単語を覚えたり、一問一答の問題をひとつ解いたりなどの勉強を行いましょう。

公共交通機関で通学している人は、その通学時間も活用しましょう。通学時間の活用法には、スマホに英語の長文を入力しておきリスニングの勉強に充てるなどの方法が向いています。

部活でどうしても疲れが溜まっているなどの場合には通学時間を休息の時間に充て、帰宅後の受験勉強に向けて体力を回復させるというような活用方法も有効です。

3.部活と医学部受験を両立させるメリットとは

部活と医学部受験に向けた受験勉強を両立させるということには、多くのメリットがあります。

ここでは、そのメリットについて解説していきます。

(1)医学部受験に欠かせない面接の対策になる

医学部の受験に欠かせないのが、面接試験です。

ここでは必ずと言っていいほど部活や課外活動など、勉強以外の高校時代の経験について質問されると想定しておきましょう。

このときに受験勉強と部活を両立していれば、答えるべきエピソードに苦労することはありません。

(2)自分自身の成長につながる

部活動は、文化系体育系問わずコンクールや大会で上位を目指すために個人·団体で自分を磨くだけではなく、部員の間で励ましあい、助け合い、時には競いながら活動を行います。

このように上を目指して努力すること、部員同士で良好な人間関係を築くことは、自分自身の成長につながり、その後の人生に大きな良い影響を与えます。

また、このような良い影響をもたらす部活と受験勉強を両立することで、医師として社会に出てからも常に上を目指す姿勢、同僚や患者と良好な人間関係を築くコミュニケーションスキル、学ぶことを苦に思わない向学心の3つを身につけることができるでしょう。

(3)勉強に必要な体力を養うことができる

医学部合格のための受験勉強は、時に十数時間にも及ぶため、非常に体力を必要とします。

体力には運動の巧みさや持久力などを指す「行動体力」と、体に無理を利かせても耐えることができる「防衛体力」の2種類があり、長時間に及ぶ受験勉強を継続して行うためには、「防衛体力」が必要とされます。

この「防衛体力」は、運動を行うことで養われます。

そのため特に体育系の部活を行うことで、長時間の受験勉強に耐えることができる「防衛体力」を身につけることができます。

4.部活をしていないほうが合格しやすい?

医学部合格を目指す受験生の中には、部活をしていない人も少なくありません。

そのような人のほうが、部活をしている人よりも受験勉強に費やすことができる時間が多いため、医学部に合格しやすいのではないかといった考えもあります。

しかし、必ずしも部活をしていない人のほうが医学部に合格しやすいとは限りません。

なぜなら、センター試験から大学共通入学テストに替わる際に、ポートフォリオというものを大学側に提出しなければいけないケースが出てきたためです。

このポートフォリオとは、自分の経験を記録し自分で自己分析を行って、長所や今までの経験をまとめたものです。

ポートフォリオの作成にあたっては、学生時代の経験がものをいいます。そのため、部活をしておらず勉強のみに打ち込んできた人には、魅力的なポートフォリオを作成することは難しいでしょう。

そのため、一概に部活をしていないほうが医学部に合格しやすいとは言えません。

5.部活を辞めても成績が向上しない人の特徴

思うように受験勉強の時間が取れないため、部活を辞めてしまおうと考えている人もいると思います。

しかし、部活を辞めても成績が思うように上がらないといったことも考えられます。

このような人には、2つの共通した特徴があります。ここでは、その2つの特徴について解説していきます。

(1)部活時代から受験勉強を行う習慣が身についていない

部活を行っているときから受験勉強をする時間を確保せずに今まで高校生活を続けてきた人は、部活を辞めても学力が向上しにくい傾向があります。

なぜなら、「勉強をする」という習慣が身についていないためです。

このような人が部活を辞めても、単純に「自由時間」が増えるだけで、勉強に打ち込む時間を自分で決め、それを習慣とすることは難しいと考えられます。

部活を辞める前に、まず自分で勉強時間を決めて勉強する習慣を身につけることをお勧めします。

(2)部活を辞める時点で志望校が決まっていない

部活を辞める時点で志望校が決まっていない人も、部活を辞めることが医学部合格につながるとは考えにくいと言えるでしょう。

志望校が決まっていないと、自分にあとどの程度の学力が必要か、そのためにはどの教科をどれぐらい勉強すればいいかという具体的な目標が決められないためです。

目標が決まらないまま受験勉強を始めても、モチベーションを保つことが難しいため、医学部に合格することは難しいでしょう。

まとめ

ここまで、部活と医学部受験の関係について解説してきました。

部活が医学部受験に及ぼす影響についてお分かりいただけたと思います。

部活と医学部受験の両立には、自律と努力が必要ですが、その分非常に大きなメリットがあります。

もし今、医学部受験のために部活を辞めることを考えている人がいたら、ここに記した内容をよく読み、もう一度医学部受験と部活の両立を目指してみることをお勧めします。

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