医学部受験は他学部とどう違う?

医学部の受験は他学部とどう違う?医学部受験を徹底解説!

医学部の受験は、他の学部の受験と大きく異なります。その異なる内容とは、勉強法であったり受験内容であったりとさまざまです。

また、医学部は最難関学部としても有名なので、必要となる偏差値についても他学部と大きく異なります。

ここでは、医学部と他の学部の受験の違いについて解説していきます。

医学部受験を志す人は、ぜひ最後まで読んで受験の際の参考にしてください。

1.医学部の受験に必要なのはまず学力

全国に82ある医学部のうち、偏差値が一番高いのは東京大学理科三類で偏差値は76.2、最も偏差値が低いのは川崎医科大学医学部で偏差値は61.8となっています。

偏差値が一番高い東京大学理科三類と、川崎医科大学医学部では偏差値に大きく差がありますが、一番偏差値が低い川崎医科大学でも一般的に見て偏差値は高い部類に入り、かなりの学力が必要なことが分かります。

医学部以外の学部の場合、2019年度までに実施されてきたセンター試験の平均点はおおむね60%となっていますが、医学部に関していえば7科目の平均で90%以上の正解率が求められます。

このような高い学力を求められる医学部受験に挑戦するにあたっては、自分で勉強するだけで合格を勝ち取ることは難しいと言わざるを得ません。

一般的には家庭教師をつけたり、医学部受験専門の予備校や塾に通ったりなどの方法で医学部合格のために必要な学力を身につけるのが一般的です。

参考:https://www.med-pass.net/rank/hensachi/

2.医学部の受験倍率はどのくらいなのか

2019年度の医学部の受験倍率は、全大学の平均で国公立医学部の場合4.4倍私立医学部の場合15.0倍となっています。

国立学科全体の受験倍率の平均は2.8倍、私立学科全体の受験倍率は4.1倍であることから、医学部の受験倍率の高さがお分かりいただけると思います。

国公立大学のほうが私立大学より倍率が低い理由は、受験日時が同日に設定されているため、複数の国立医学部を受けることができなという点にあります。

それに対して私立医学部は、受験日が医学部によって異なるため、一人で複数の医学部を受験することができ、結果として倍率が高くなります。

そのため倍率の高さ=難易度とは必ずしも言い切ることはできません。しかし、偏差値が低くても倍率が高い医学部の場合、1点の差が合否に大きく影響します。

そのため、それほど偏差値が高くない医学部であっても受験勉強をおろそかにしてしまうとその1点で不合格となってしまうことがあるため、注意しましょう。

なぜ、医学部はこんなにも人気があるのでしょうか。

その理由は医者という職業は高収入を見込むことができ、ステータスも高く、安定性があり、社会に貢献できる職業であるためです。

そのため、多くの受験生が必死に勉強して医学部入学を目指すのです。

3.医学部受験の内容

ここからは、医学部の受験内容についてみていきます。

国立医学部と私立医学部では内容が異なるため、それぞれについて分けて解説していきます。

(1)国公立

国公立の医学部の受験内容は、次のようになります。

①大学入学共通テスト

5教科7科目の受験が基本となっていますが、理科Ⅰ(基礎を付した科目)は受験できない点に注意が必要です。

このテストで志望する医学部にもよりますが、90%から95%の得点をあげる必要があります。

そのため、各教科をまんべんなく勉強しなければなりません。

入試に必要な勉強量が多くなるため、受験生の負担が大きくなるという点が、国立医学部受験の大きな特徴であるといえます。

②二次試験

二次試験は志望する医学部により内容が異なりますが、基本的には英語、数学、理科2科目の学科試験に面接が加わるケースが多くなっています。

大多数の国立医学部が理科は物理、化学、生物の3科目の中から2科目を選択するスタイルになっています。

前期試験と後期試験では必須科目が異なる大学もあるため、注意しておきましょう。

後期試験では、総合問題または小論文に加えて面接が行われるケースが多くなっています。

小論文の内容は医療トピック以外にも、人文系や自然科学系のトピックもあり、内容が幅広いため、過去問題で志望する医学部の出題傾向を調べておく必要があります。

また、過去問題の出題傾向以外にも、最近の話題になったトピックについてしっかりと内容を把握しておくことをお勧めします。

(2)私立

私立医学部でも大学入学共通テストが必要な医学部もあり、その内容は医学部により異なります。

しかし、英語、数学、理科2科目に加えて小論文と面接が行われるスタイルが一般的です。小論文は国公立大学と同様に、志望する医学部の出題傾向をしっかり調べておきましょう。

また、面接対策も十分に行っておくことが重要です。

4.医学部受験のための準備

医学部を受験するためには、そのような準備が必要なのでしょうか。

ここでは医学部を受験するにあたって必要な準備について解説していきます。

(1)いつから医学部受験に向けた勉強を始めたらよいか

いつから医学部受験に向けた準備をするべきかという疑問を持っている人もいると思いますが、医学部受験の準備は実は幼少期にはすでに始まっていると考えておきましょう。

その理由は幼少期から培われた数学や読解力の積み重ねが、医学部受験に大きな役割を果たすためです。

医学部を志望する人は、まず中学受験を視野に入れて勉強を行う人が多いため、小学校の3,4年生ぐらいのころから塾に通いだして対策を始めます。

今まで全く勉強に力を入れてこなかった人が医学部受験を志した場合、それが高校生になってからではもう遅すぎると言っても過言ではありません。

(2)希望する医学部の受験方法や出題傾向を調べる

志望する医学部の受験方法や、出題傾向を調べておく必要があります。

特に私立医学部の場合は、大学入学共通テストの受検が必要かどうかによって、受験勉強の仕方に大きな違いが出てくるため、きちんと調べておきましょう。

また、国立・私立を問わず、その医学部の出題傾向をよく調べておくことも大切です。

特に受験内容に小論文がある場合には、その出題傾向についてもしっかり調べて対策を行っておきましょう。

また、医学部受験には面接が付き物です。そのため、面接対策も怠らないようにしましょう。

(3)適切な学習時間の確保を行う

ただ単に長時間勉強をしても、効率が上がらないと勉強する意味がありません。

1日あたりどの程度の勉強時間を確保する必要があるかといったことを、しっかり考えて勉強時間を確保するようにしましょう。

勉強の効率を上げるためには十分な睡眠時間や、心身の終息のための休憩時間を設けることも非常に重要です。

しかし、ただ単にだらだらする時間を作ってはいけません。このような内容を踏まえて適切な勉強時間を決めるようにしましょう。

(4)自分の得意分野と学力を把握しそれにあった受験方法を採用している医学部を志望校とする

国立医学部にも言えることですが、私立医学部を志望する際には特に試験問題の傾向や偏差値が自分に向いている医学部を志望校とするようにしましょう。

そのためには、自分の学力や得意分野を客観的に把握することが重要です。塾の講師や学校の進学担当の先生などに相談してみるのも良い方法です。

5.医学部受験から合格までの流れ

ここでは、医学部受験から合格までの流れを解説していきます。

(1)大学入学共通テストへの出願

国立医学部と、大学入学共通テストの受検が必要な私立医学部の受験を行う場合には、大学入学共通テストへの出願を行います。

出願表に記入漏れが無いよう注意しましょう。

(2)大学入学共通テストの自己採点

大学入学共通テストが終了したら、自分でテストの回答の自己採点を行います。

この自己採点で、何%の得点を得ることができたかを把握しましょう。

(3)志望校の最終決定

大学入学共通テストの自己採点の結果により、国立や大学入学共通テストが必要な私立のどの医学部を受験するか最終決定を行います。

大学入学共通テストの得点により、二次試験でどれぐらいの点数を得ることができれば合格できるかということが決まります。現在の自分の学力や得意分野と問題傾向が合っている医学部を選ぶようにしましょう。

大学入学共通テストの受検が必要ない私立医学部のみを受験する場合には、このような作業はする必要はありません。

(4)二次試験(前期・後期)

二次試験は、志望する医学部により試験内容が異なります。

また、同じ医学部でも前期と後期では試験内容が異なるため、自分が受験する日程の試験の問題傾向をしっかりと把握して臨むようにしましょう。

医学部の二次試験の大きな特徴は、面接があるという点です。面接対策も怠ることなくしっかりと行っておきましょう。

(5)合格発表

ここまで解説してきた流れを経て、試験により学力と、面接により本人の人間性が試され、問題がないと医学部側に認められて初めて医学部合格となります。

晴れて医学部に合格しても、その先の医学部生活はハードな勉強の日々となるため、気を緩めすぎずに医学部生活に向けての準備を行うようにしましょう。

まとめ

ここまで、医学部の受験について解説してきました。

医学部受験のための準備や、受験の流れなどについてお分かりいただけたと思います。

医学部の受験のためには、とにかく早い時期から勉強を始め、学力を身につけることが重要です。

「偏差値50から医学部合格!」などという話もありますが、それはもともと学力の下地があった人が、たまたまその時点で偏差値が50だっただけです。

決して偏差値50の人が誰でも医学部に合格できるわけではありません。

また、幼少期からそのような学力を身につけるための環境を整えるためには、保護者の意識の高さも要求されます。

医学部を受験するためにはとにかく学力を身につけ、志望する医学部の偏差値までたどりつくことが一番の課題であるといえるでしょう。

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