医学部入試に必要な受験科目は?

医学部入試に必要な受験科目は?違いを押さえて、しっかり準備!

医学部入試は、他学部の入試に比べて難易度の点においても、受験科目の多さにおいても群を抜いています。

医学部合格のためには、周到な事前の準備が必要です。大学ごとの傾向や、過去問のチェックなどは欠かせません。「敵を知り、己を知れば百戦殆う(あやう)からず」であることは、間違いありません。

この記事では、最新の情報と、過去の分析に基づく傾向と対策をお伝えしますので、ぜひ、参考になさってください。

1.医学部入試は、国公立、私立大学どちらも高い競争倍率で、ハイレベルな戦いに!

現在、日本には、国公立大学医学部が50、大学校が1校(防衛医科大)、私立医学部が31の合計82医学部があります。

医学部間の難易度の差があるとはいえ、いずれの大学も他学部に比べると難易度、競争倍率ともにとても高くなっています。

医学部の競争倍率は、国公立大学の場合、他学部が3倍弱で推移しているにも関わらず、医学部は最近落ち着いた倍率になってきたとはいえ、4倍台半ばとなっています。

一方、私立大学全般の競争倍率が4倍前後であるにもかかわらず、私立医学部は10数倍で推移していますから、競争倍率だけをみても他学部に比べて高くなっているのが医学部です。

競争倍率だけでなく、医学部合格に必要とされる偏差値も非常に高く、目標を医学部と定めたら、それに照準を合わせて高1、高2のころから準備をしても早すぎるということはありません。

昨年度まで実施されていた大学入試センター試験が、2021年度より大学入学共通テスト(以下、共通テスト)に変更になりますが、センター試験同様の高得点率が要求されることは間違いありません。

共通テストの後に実施される二次試験(前期日程)、二次試験(後期日程)においても、同様の高得点が必要です。

私立大学では、大学間の傾向の違いがさまざまなので、志望校に照準を合わせた準備が必要です。また、国公立大学との併願の場合は、日程や受験科目を考えて準備をしましょう。

2.一般入試の受験科目と対策

国公立大学、私立大学、共通テスト、二次試験に分けて受験科目とその対策を詳述します。

(1)国公立大学医学部

①共通テスト

国公立大学の医学部を目指している場合は、2021年度から新たに始まる共通テスト対策をしっかりやることが合否の分かれ目になります。

昨年度までのセンター試験の実績では85%以上、最難関医学部では90%以上の得点率が必須でした。共通テストでも、同様の結果を求められるのは間違いありません。

共通テストでは、5教科7科目の受験が基本となります。外国語、数学2科目、国語、理科2科目、地理or公民になり、理科1科目というのは不可です。

多くの国公立大学では共通テストの結果によって、第一段階選抜(いわゆる足切り)が行われます。二次試験を受けるためには、共通テストでの高得点は、必要条件です。

第一段階選抜とは、具体的な点数が決まっているわけではなく、人数の倍率から足切り点数が設定されると考えましょう。

また、国公立大学医学部のうち、2/3程度の大学が第一段階選抜を行っていますので、自分が受験する大学の実施状況を確認しておきましょう。

共通テストで、高得点率を獲得するためには、数学と理科の4科目のうち、2科目で常に100%の正答ができることと、他の科目においても、取りこぼしのないよう、万全の準備をすすめましょう。

②二次試験(前期日程)

共通テストの結果を自己採点して、希望する大学に出願します。

国公立大学の入試は、共通テストの結果とそれぞれの大学が実施する個別学力テスト(二次試験)で合否が決まります。

二次試験が実施される日程によって、前期、中期(主に、公立大学)、後期に分かれますが、大学によって前期だけしかないところや、同じ大学が前期と後期に分けて募集する場合もありますが、いずれも各日程に1校しか出願できません。

国公立大学医学部の二次試験(前期日程)では、基本的に、英語、数学(1A+2B+3)、理科(化学、物理、生物から2科目選択)の学科試験+面接という大学が多いです。

大学によっては、二次試験の理科の科目が、物理必須(北海道大学)や、物理と化学が必須(群馬大学、金沢大学など)など大学によって異なります。

さらに、二次試験で国語がある(東京大学、京都大学、名古屋大学など)、理科がない(旭川医科大学、弘前大学、秋田大学など)など、違いがありますので、その違いをしっかり確認しておくことが大切です。

また、私立大学医学部の併願大学の科目との兼ね合いをよく考えて、準備しなければならない科目を考えるといいでしょう。

二次試験については、各大学によって、出題傾向も異なります。例えば、総合大学の医学部では、標準的な問題であるけれど高得点が必要であったり、単科の医科大学では、難問の出題が多いなどの特徴があります。

いずれにせよ、ボーダー偏差値が65以上、難関医学部では70以上は必須です。

③二次試験(後期日程)

前項で、二次試験の前期、中期、後期では、各1校しか出願できないとご説明しました。また、一つの大学に合格して、合格手続きを済ませたら、他の大学に合格することはできませんから、第一志望を前期日程で受け、それが不合格の場合、後期日程で受験することになります。

ただ、後期日程を実施する国公立大学は、20医学部のみで、さらに、募集人員も少なく、したがって競争倍率も高くなる傾向がありますから、前期よりランクを下げた大学をねらった方がいいでしょう。

国公立大学医学部二次試験の後期日程では、学科試験を課さない大学が多く、小論文と面接の大学が半数を占めます。

中には、後期日程においても、学科試験を課す大学があります。千葉大学、岐阜大学、奈良県立医科大学は、英語、数学、理科2科目、宮崎大学が、英語と理科1科目、山梨大学が数学、理科2科目、旭川医科大学は理科2科目に、それぞれプラス面接という組み合わせになります。

中でも、学科試験の科目数が多い千葉、岐阜、奈良県立医科大学では、二次試験の配点比率が高いので、共通テストの結果を二次試験で覆すこともでき、毎年、高倍率となっています。

一方、面接のみの大学は、山形大学、名古屋大学、佐賀大学ですが、これらの大学では、共通テスト重視の配点比率になっています。つまり、センター試験の結果が、大きく二次試験の結果に影響します。

(2)私立大学医学部

私立大学医学部は、全国に31医学部があります。

その中でも、慶応大学、東京慈恵会医科大学、日本医科大学は、私立御三家と呼ばれています。また、旧医専の医学部が、順天堂大学、東京医科大学、大阪医科大学など10医学部、他に新設医学部が18となっています。

私立大学医学部では、センター試験を利用していた大学が18医学部で、そのうち1/2の9医学部で国公立と同様の5教科を課しています。

大学別では、国際医療福祉大学、順天堂大学、昭和大学、東京医科大学、藤田医科大学、産業医科大学、愛知医科大学(後期)、関西医科大学(併用)になります。

さらに、4教科(外国語、国語、数学、理科)は、4医学部、3教科(外国語、数学、理科)が5医学部などになります。

私立大学医学部のうち、13医学部についてはセンター試験を利用せず、一般入試のみを行っています。

2021年度入試より、センター試験に代わって共通テストが実施されますが、同様の傾向になると思われます。

私立大学医学部の一般入試の学科試験については、英語、数学、理科2科目が必須の4科目受験が基本となります。帝京大学と東海大学は、3科目での受験でOKのため、毎年、高倍率となっています。

いずれの私立大学医学部も、学科試験の他に、面接や小論文を課すところが主流となっています。

3.医学部合格への最短コースは、医学部受験に強い予備校!

医学部に合格するためには、自宅、予備校、予備校の寮に入るなどの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがありますが、最短コースとしておすすめなのは、医学部受験に強い予備校に通学、またはその予備校の寮に入ることです。

予備校などに通わず、自宅で受験勉強をする場合、通学などに時間を取られることがなく、通学途中のさまざまな誘惑をシャットアウトできるうえに、費用も掛かりません。

しかし、一日中、家にいるため、時間のメリハリがつけにくく、だらだらしてしまうリスクがあります。さらに、受験や大学の動向などの情報が入手しにくいこともデメリットです。

一方、予備校に通う場合は、大学受験に関する蓄積されたノウハウを持つ予備校の教師から、勉強方法から、勉強のポイント、志望校の動向まで指導してもらえます。

医学部合格を目指す場合は、一般的な予備校ではなく医学部受験に特化した予備校がおすすめです。同じような境遇の受験生と切磋琢磨できる点もメリットでしょう。

もう一つのおすすめが、予備校の寮に入る方法です。

真剣に、医学部合格を最短で勝ち取りたいと考えているなら、予備校が運営している寮に入ることです。一番のメリットは、医学部受験以外の雑音が入りにくく、自分を追い込むことができる点です。

さらに、寮内には、医学部を目指す受験生がいますから、とてもいい刺激になります。たいていの寮が、予備校の近くにありますので、通学時間などがかからず、あなたの時間のほとんどを受験勉強に費やすことができます。

まとめ

医学部受験に必要な受験科目の説明から、最短で合格を勝ち取るためにおすすめの医学部に特化した予備校で学ぶ方法までをまとめました。

競争倍率が高いうえに、難易度も高い医学部で合格を勝ち取るためには情報を知り、ベストな方法で勉強することが大切です。ぜひ記事を参考にしていただき、合格という栄冠を勝ち取ってください。

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