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医学部予備校を選ぶとき受験生のこころに浮かぶ、こんな疑問の数々・・・
どんなケースでも、医学部予備校選びで非常に大切なことがあります。
それは何だか分かりますか?
医学部予備校を選ぶにあたって大切な指標となるもの、それは合格実績です。
医学部予備校に通う第一の目的は、医学部に合格すること!
それにはまず、合格実績をきちんと確認することが大切です。
合格実績のほかにも、学費や自分が勉強を続けやすい便利なサービスの有無も大切かもしれません。
それでもやはり、医学部予備校に通う目的は医学部合格にあるため、合格実績の確認は大切な作業になるのです。
そこで、まずはじめに合格実績を見る際に理解しておきたい基礎事項を解説。
次に、人気予備校11校の2019年合格実績をご紹介しながら、それぞれの特徴を解説していきます!
医学部予備校の合格実績はナニを表している? 見方のポイントを解説!
医学部予備校の合格実績を表記する方法は、予備校によってさまざまなのが実情です。
そこで、ここからは合格実績の基礎知識をなるべく分かりやすく、5つのポイントにわけて説明していきます!
(1)ポイント1 医学部予備校の合格実績・合格者数・合格率とは?
①合格実績とは?
合格実績とは、その年の受験の合否結果報告全体を指しています。
具体的には、この3つを指していることが多いです。
- 合格者数(「合格者のべ人数」であることが多い)
- 合格率
- 具体的な大学名の紹介
合格者のべ人数については、このあと「ポイント4」で詳しく解説します。
②合格者数とは?
医学部に実際に合格した人数のことです。
しかし合格実績に掲載される「合格者数」の内容は、さまざまなのが現状です。
合格者数で注意すべき点として、以下の4つが上げられます。
- 合格者数は、「合格者のべ人数」を表記していることが多い
- 2次試験合格者ではなく、1次試験合格者が記載されていることもある
- 本科生以外に、「夏期講習だけ・特別講座を受けただけ」の短期講座受講生の合格者数が混じっていることがある
- 合格者数に、一般試験だけではなく推薦入試合格者や特待生が混じっていることがある
これらについては、ポイント2〜5でこのあと詳しく解説していきます!
③合格率とは?
本科の生徒全員に対して、医学部入学が可能だった受験生の割合を示しています。
合格率 = 入学者数 ÷ 本科生人数
で求められます。合格率を公表している医学部予備校は少数派です。
逆にいえば、合格率を公表している予備校は合格実績が優秀な可能性が高いといえます。
(2)ポイント2 医大の「1次試験合格者数」と「2次試験合格者数」とは?
1次試験と2次試験は、私立大と国公立大で内容が違うため、わけて解説していきます。
①私立大の場合
医学部受験では、
- 1次試験 学科試験
- 2次試験 小論文+面接
を実施している大学が殆どです。
1次試験に合格した受験生は2次試験へと進むことができ、2次試験に合格すると医学部へ進学することが可能となります。つまり、2次試験合格者が最終合格者となります。
全国平均で見てみると、1次試験に合格した生徒の約半分〜6割程度が2次試験に合格しています。
そのため1次試験の合格者数だけを見てもあまり参考にはなりません。
2次試験の合格者数を確認することが、医学部予備校選びではより重要になります。
医学部予備校の合格実績を確認する際は、「1次試験合格率なのか2次試験合格率なのか」をきちんと確認するようにしましょう。
一方で、1次試験の点数の【順位】は、合格を大きく左右します。2次試験は、「医師としての適正から大きく外れているなど人間性に大きな問題がないか?」などを直接確認するため、参考程度に行われていることが殆どなためです。
②国公立大学の場合
国公立大医学部では、
- 1次試験 センター試験
- 2次試験 個別学力試験+面接+小論文
を実施している大学が殆どです。
つまり、国公立大学の1次試験合格者数とは、センター試験で足切りされなかったことを示しています。
そのため国公立大の1次試験合格率は、私立医学部よりさらに当てにならない数値となり、2次試験合格者を確認するのがさらに重要になります。
(3)ポイント3 一般入試と推薦入試・特待生をちゃんと区別している?
推薦入試および特待生と一般入試の合格者は、合格するまでの経緯が全くといいほど違っています。
推薦入試の場合、入試試験とは関係なく高校内部で決まることが多いため、医学部予備校とは実質上無関係です。
ところが、医学部予備校によっては推薦入試用の短期講座を開催し、講座参加者の推薦入試合格人数を合算しているところもあるため、推薦入試の合格実績が混じっていないかを確認してみましょう。
(4)ポイント4 合格者数は「のべ人数」を表記していることも…
私立医学部受験においては、一人が複数の医大を受験できます。
そのため複数の私立大医学部に合格している生徒が、何人もいるのが通常です。
そして多くの医学部予備校は、例えば一人の生徒が5校の2次試験に合格して入学する権利を得た場合、「合格者数5人」とカウントしていることが多いです。
これを合格者の「のべ人数」といいます。
いっぽう、一番参考になる合格者数は
本科から合計何人の生徒が医学部へ進学できたか?
つまり、実質的な進学者数になります。
医学部予備校によっては、合格者のべ人数だけではなく、進学者の人数を明確に公表している予備校もあります。
(5)ポイント5 医学部予備校の合格実績のその他注意点
ここでは、短気受講生の扱いと、補欠対象者・補欠合格者の2点について注意点を解説していきます。
①短期講座受講生の合格実績への加算
医学部予備校によっては、「大学別直前講座」や「2次試験(面接や小論文)対策講座」などの短期講座受講生を、合格者数のべ人数や進学者数に含んでいることがあります。
短期講座の合格者が含まれていると、正確な医学部予備校の実力をはかり辛いので、短期講座の合格者が含まれていないかどうかを確認するようにしましょう。
②医大の「正規合格者」と「補欠対象者」にも注意しよう!
正規合格者とは、1次試験と2次試験の両方に合格して、医学部入学資格を得た受験生を指します。
いっぽう、補欠合格は繰り上がり合格とも呼ばれ、正規合格者が入学を辞退したときに繰り上がって合格にとなる予備の生徒を指します。
医学部予備校によっては、この補欠合格の対象者を合格者数のべ人数にカウントしていることがあります。ここも注意して確認するようにしましょう。
【2019年版】主要医学部予備校の合格実績について解説!
ここからは、人気医学部予備校11校の合格実績をご紹介していきます。
すべて公式サイト上で公表されている数字を集計しています。
医学部予備校選びで合格実績を確認するときの、参考にしてみてくださいね!
(1)医学部予備校の合格実績 その1 富士学院
■1次次試験合格者数 未公表
■2次試験合格者数 進学者数173人 (合格者のべ人数284人)
■実数合格率 52% (合格者173人/医学部医学科専願者333人)
■主な合格実績 国公立33人(合格率85%)+私立医学部140人
・国公立/北海道大学、筑波大学、名古屋大学、九州大学、千葉大学、名古屋市立大学ほか
・私立/福岡大学、久留米大学、川崎医科大学、岩手医科大学、愛知医科大学ほか
(2)医学部予備校の合格実績 その2 メディカル ラボ
■1次次試験合格者数 未公表
■2次試験合格者数 のべ人数 1189人(医学部1004人+歯学部184人)
■合格率 未公表
■主な合格実績
・国公立/東京大学、東京医科歯科大学、筑波大学、千葉大学、広島大学、大阪市立大学ほか
・私立/東京慈恵会医科大学、順天堂大学、日本医科大学、昭和大学、産業医科大学ほか
解説
1次試験合格者や短期講座受講者は含まない2次試験合格者を公表していて良心的といえます。
大学別の合格者数も公開されているので、自分の志望校に強い医学部予備校かどうか?が確認しやすいのもよいです。
実質的な進学者の人数や、推薦入試と特待生が明記されているとなおよいです。
(3)医学部予備校の合格実績 その3 野田クルゼ
■1次次試験合格者数 一部公開あり(大学別に表示)
■2次試験合格者数 のべ人数 212人(国公立 21人+私立 191人)
■合格率 不明
■主な合格実績
・国公立/東京医科歯科大学、東北大学、千葉大学、名古屋市立大学、筑波大学ほか
・私立/東京慈恵会医科大学、日本医科大学、自治医科大学、大阪医科大学ほか
解説
大学ごとに1次試験と2次試験の合格者数が明記されているため、1次試験の合格者が2次試験に合格する割合を予想するのに役立ちます。
推薦入試合格者と特待生、さらに全体で何人くらいの受験生がいるのかが明確になっていると、さらによいです。
(4)医学部予備校の合格実績 その4 Windom(ウインダム)
■1次試験合格者数 本科生60人(のべ合格人数273人)
■2次試験合格者数 未発表
■合格率 未発表
■主な合格実績
・国公立/東京大学、山梨大学、防衛医科大学
・私立/未発表(1次合格の私立大学名のみを表記)
解説
2次試験合格者については、国公立3校のみが公表されています。
ほかは1次試験の本科生の実質合格者数、また、のべ人数も1次試験合格者数であるようです。
大学別も1次試験合格者数が主に公表されています。
私立大学の2次試験合格者数を問い合わせてみるのがよいでしょう。
(5)医学部予備校の合格実績 その5 ACE Academy(エースアカデミー)
■1次試験合格者数 未発表
■2次試験合格者数 実質進学者数38人、のべ合格人数 92人(国公立7人+私立83人)
■合格率 未発表
■主な合格実績
・国公立/神戸大学、横浜市立大学、広島大学、筑波大学、浜松医科大学、群馬大学
・私立/日本医科大学、昭和大学、日本大学、東京医科大学、北里大学、聖マリアンナ医科大学ほか
解説
2次試験の合格者数を公表、さらに正規合格・繰り上げ合格・特待生の3つをわけて公表していて、とても丁寧で正確といえます。
また、合格した生後の併願校が分かる一覧があり、受験生の併願傾向を知るのに役立つのもよいところです。
全体的に良心的な合格実績であるといえます。全体の受験者数が分かるとなおよいです。
(6)医学部予備校の合格実績 その6 medico(メディコ)
■1次次試験合格者数 未発表
■2次試験合格者数 のべ人数29人
■合格率 未発表
■主な合格実績
・国公立/東京医科歯科大学医、千葉大学、名古屋大学、大阪大学、神戸大学、大阪市立大学、
・私立/慶應義塾大学、東京医科大学、帝京大学、金沢医科大学、大阪医科大学ほか
解説
2次試験の合格者のべ人数とその内訳(大学名)のみを公表しています。2次合格者の実績なのか、特待生や短期講座受講生は含まれているかなどについての記載がないため、問い合わせてみるとよいでしょう。
合格実績の情報量の公開は少なめといえます。
(7)医学部予備校の合格実績 その7 メルリックス学院
■1次試験合格者数 未公表
■2次試験合格者数 のべ人数242人
■合格率 未公表
■主な合格実績
・国公立/ナシ(私大専門の医学部予備校)
・私立/東京慈恵会医科大学、東京医科大学、日本医科大学、北里大学、産業医科大学ほか
解説
補欠や1次試験合格者を含まない2次試験合格者のべ人数、さらに一部の合格者に関しては「一般入試・推薦・AO・編入」の内訳を掲載しています。
受験者の数が分かるとなおよいです。
(8)医学部予備校の合格実績 その8 一会塾
■1次次試験合格者数 65人
■2次試験合格者数 のべ人数42人
■合格率 未発表
■主な合格実績
・国公立/北海道大学、岐阜大学、新潟大学、神戸大学
・私立/東京慈恵会医科大学、昭和大学、順天堂大学、東京医科大学、日本大学、帝京大学ほか
解説
大学別に1次試験合格者数と2次試験合格者数がわけて表示されています。さらに、特待生の数も明記されています。
受験者の数が分かるとなおよいです。
(9)医学部予備校の合格実績 その9 YMS(代々木メディカル進学舎)
■1次試験合格者数 のべ人数377人
■2次試験合格者数 実質進学者数101名(のべ人数 236人)
■合格率 未発表
■主な合格実績
・国公立/東京医科歯科大学、北海道大学、筑波大学、横浜市立大学、防衛医科大学校ほか
・私立/慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、日本医科大学、昭和大学ほか
解説
1次試験と2次試験の合格者数、実質進学者数とのべ人数をわけて表記してあり、とても分かりやすいです。
大学別合格人数も、表で1次試験合格者数と2次試験合格者数をわけて表記してあり、とても見やすいです。
ただし、それぞれの合格者人数には推薦入試コース(私大定員10名+私立定員不明)の人数も含まれているようで、そこが残念なところです。
(10)医学部予備校の合格実績 その10 名門会
■1次試験合格者数 未公開
■2次試験合格者数 実質進学者数 未公開(のべ人数 235人)
■合格率 未公開
■主な合格実績
・国公立/東京大学、京都大学、大阪大学、名古屋大学、名古屋市立大学、神戸大学ほか
・私立/慶應大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、日本医科大学、大阪医科大学ほか
解説
合格者ののべ人数のみの公開になっています。また推薦入試合格者が含まれています。
受験者の数や合格者の内訳(一般入試、推薦入試、特待生など)が分かるとなおよいです。
(11)医学部予備校の合格実績 その11 メディック トーマス(MEDIC TOMAS)
■1次試験合格者数 のべ人数220名
■2次試験合格者数 のべ人数152人(国公立14人+私立132人)
■合格率 未公開
■主な合格実績
・国公立/東京医科歯科大学、千葉大学、筑波大学、群馬大学、金沢大学、信州大学ほか
・私立/慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、順天堂大学、日本医科大学、昭和大学ほか
解説
1次試験と2次試験の合格者、およびAO・推薦入試合格者数をすべて大学別に公表していて、大変分かりやすく良心的であるといえます。特待生合格者の人数も明記してあります。
大学別に合格者数を明記してあるのも参考になります。全体的に正確な合格実績といえます。
受験者の数が分かるとなおよいです。
解説
富士学院は合格者のべ人数とは別に実質進学者の人数が明記され、正確な合格率を実数合格率として公表しています。国公立では受験者数・合格者数の両方を公開しています。
大学別の合格者数も公開されていますので、自分の志望校に強い医学部予備校かどうか?の確認がしやすくなっています。
ただし、1次合格者と補欠合格者は含まれていないものの、推薦合格者が含まれているので注意が必要です。
全体的にとても良心的で正確な合格実績を公表している医学部予備校です。