医学部受験の集団面接で上手に自己PRする方

医学部受験の集団面接で上手に自己PRする方法を解説

医学部入試では、面接にも大きなウエイトが置かれます。

その面接の方法には、集団面接というものがあります。集団面接はグループ面接と呼ばれることもあり、この2つは同じ面接方法です。

一人で受ける個別面接と、集団面接の違いにはどのようなものがあるのでしょうか。

また、個別面接とは異なる集団面接で医学部に合格するためのポイントなどはあるのでしょうか。

ここでは、医学部入試の際に行われる集団面接について解説していきます。

1.集団面接とは

集団面接とは、複数の受験生が同時に面接を受ける形式の面接方法です。

面接官は一人の場合もあれば複数人の場合もあり、これは医学部によって変わってきます。

同時に面接を受ける受験生に対して同じ質問をされることが多いのですが、異なる質問をされることもあります。

個別面接との大きな違いは、他の受験生の回答を聞き、他の受験生の前で自分自身も回答を行う点にあります。

また、回答する受験生を面接官が指名したり、逆に提示された質問に受験生が挙手して指名されてから答えたりする方法もあります。

2.個人面接ではなく集団面接を行う目的

集団面接でチェックされるポイントは、面接時のマナーや身だしなみ、コミュニケーション能力や人柄、その医学部に合格したいという熱意をどの程度持っているかなどの点で、基本的に個別面接と同じです。

しかし注意しなければならないのは、どのような点に関しても他の受験生と比較されているという点です。

また、集団面接には受験生の比較以外にも、面接する側のメリットがあります。

それは一度の面接で複数人の受験生の面接を行うことができるため、時間の短縮が可能になるという点です。それ以外にも、受験生の集中力や協調性を測ることができるというメリットもあります。

他の受験生の回答に流されることなく、独自の回答を短い時間で簡潔かつ的確にまとめて回答する能力がその受験生に備わっているかどうか、という点も測ることができます。

3.集団面接を行う際に抑えておきたいポイント

集団面接に臨む前に、押さえておきたいポイントがあります。

このポイントは個別面接の場合とは異なる点もあるため、自分が志望する医学部の面接方法が集団面接である場合には、しっかりと準備しておきましょう。

(1)予想される質問に対する答えに対する対策を準備しておく

予想される質問に対する回答を準備しておくことは個別面接と同様ですが、他の受験生と回答が被ってしまう恐れがあります。

そのため、いくつかのバリエーションを持たせた回答を準備しておくことが必要です。この時用意する複数の回答は、全く違うものである必要はありません。

最終的な回答は同じでも、回答に添えるエピソードなどに違いを持たせることで、他の受験生と異なる回答にできます。

また個別面接と大きく異なる点に、一人当たりの持ち時間を考慮しなければならない点があります。

合格したいあまりにあまりに長い回答をしてしまうと、面接官から「協調性がない」と評価されてしまうことも考えられます。

回答は一分程度、文字数にして300文字程度で簡潔かつ的確に回答するようにしましょう。

①志望理由

志望理由には医師を志望する理由と、その医学部を志望する理由の2つがあります。

医師を志望した動機に関しては、「身内の死に触れて医師を志すようになった」などの回答が一般的ですが、このような回答をする受験生は非常に多いのが特徴です。

重要なのは身内の死に触れて、自分の心境にどのような変化があり、医師を志すようになったかという一連の流れです。

その点を具体的に回答することで、合格へ近づくことができるでしょう。

それ以外に多いのが、人の健康と生命を守るために医者を志したという回答ですが、健康と生命を守るということは他の職業でも可能です。

なぜ医師でなければならないのかといったことを合理的に回答することで、他の受験生との差別化を図るようにしましょう。

この質問は非常に重要なものなので、よどみなく的確な回答ができるよう十分に準備をしておきましょう。

②高校生活で力を入れたこと

高校時代に力を入れたことは、部活動や課外活動など受験生によってさまざまなので、比較的回答しやすい質問です。

この質問に回答する場合にも、どのような事に力を入れてきたのかという点を具体的なエピソードを交えつつ簡潔に回答するようにしましょう。

③尊敬する人や愛読書など

尊敬する人や愛読書に関する質問も、高校生活で力を入れたことと同様に人それぞれであるため回答が被る心配は少なく、比較的回答しやすい質問であると言えるでしょう。

この質問に回答する際も、尊敬する人物や愛読書を答えるだけではなく、なぜその人物を尊敬しているのか、なぜその本が愛読書となっているのかという具体的な理由を添えて回答するようにしましょう。

この質問では、受験生自身のキャラクターを測る目的もあるため、あまり奇をてらった回答をすることはお勧めできません。

④時事問題、特に医療に関するもの

最近の時事問題や、医療に関するトピックなどに関しての質問が行われることも想定されます。

そのため、日々ニュースや新聞で話題となっている問題を把握しておくようにしましょう。

特に医療に関する事柄に関して質問される傾向があるため、最近の医療に関する問題について把握し、自分なりの考えを具体的に持っておくようにしましょう。

出題された問題が分からない場合であっても、沈黙してしまってはいけません。「分かりません、不勉強で申し訳ございません」と、正直に伝えるようにしましょう。

⑤自分の長所と短所・医師に向いていると思う理由

自分の長所と短所や、自分が医師に向いていると思う理由に関して質問されることもあります。

この問題に的確に答えるためには、自分自身のパーソナリティーを自分で深く掘り下げ、自己分析を行っておく必要があります。

この長所と短所および医師に向いている理由に回答する場合にも、具体的なエピソードを添えることを忘れないようにしましょう。

⑥浪人している場合には浪人した理由

浪人生の場合には、浪人した理由を質問されることがあります。

そのような場合には、「どの医学部にも合格しなかったため」などとマイナスな印象を与えるような回答ではなく、受験している医学部への進学を強く希望しているためなどといった前向きな回答をするようにしましょう。

⑦理想とする医師像・どのような医師になりたいか

理想とする医師像やどのような医師になりたいかということも、よく聞かれる質問の一つです。

理想とするまたはなりたい医師像の特徴を答えても良いのですが、そこにはなぜそのような医師になりたいのかといった理由も付け加える必要があります。

また、具体的な医師の名前を挙げても良いでしょう。

そのような場合には、なぜその人のような医師になりたいかといった理由をしっかり説明できるよう、その医師の人柄や専門分野などについて詳しく調べておく必要があります。

(2)集団面接時の入室から退室までの流れを頭に入れておく

集団面接は、次のような流れで行われます。

①入室

まず名前を呼ばれるので、しっかりとした声で「はい」と返事をし、ドアを3回ノックしてから入室します。

ドアのノックは、最初に名前を呼ばれた受験生が行います。

②着席

最後の入室者がドアを閉め、一礼してから名前を呼ばれた順番に氏名を名乗ってから挨拶を行い、再び一礼し着席します。

③質疑応答

ここからが、集団面接のメインである質疑応答です。

ここでは、質問に対する回答だけではなく、他の受験生の回答を真摯に聞いているかといった面接に臨む態度もチェックされるため、自分が回答する以外の時間であっても気を抜かないようにしましょう。

④退室

面接が終了したら、起立し面接官に対して「ありがとうございました」の一言とともに、一礼をしてから退室します。

退室前のドアを開ける前に、「失礼します」の一言とともにもう一度一礼し、退室します。

これで、集団面接の終了となります。

(3)面接にふさわしい身だしなみを整える

面接にふさわしいように身だしなみを整えてから、面接に臨むようにしましょう。

ポイントは、「清潔感」です。

現役生でなおかつ高校に制服がある場合には制服を、制服がない場合には男子受験生は襟付きの白シャツに濃色無地のスラックス、女子受験生は襟付きの白いブラウスに濃色無地の膝丈スカートなどを着用するようにしましょう。

浪人生の場合には、スーツを着用するようにしましょう。

事前に髪を切ったり暗い色に染めたりし、清潔感のある髪型にするよう心がけましょう。女性の受験生で髪が長い場合には、後ろで1つにまとめることをお勧めします。

アクセサリーの着用や濃すぎるメイクも悪い印象を与えがちなので、アクセサリーは付けないようにし、メイクも必要最低限にしておきましょう。

4.集団面接で落とされる可能性が高いのはどのようなケースか

集団面接ならではの、面接で落とされてしまいやすいポイントというものがあります。

ここでは、その危険なポイントについて解説していきます。

(1)他の受験生にのまれてしまう

複数人の受験生がまとめて面接を受けるため、自分以外の受験生が皆立派に見えるあまり、自分が委縮して質問にうまく答えることができないといったことが考えられます。

いわゆる他の受験生に「のまれる」というような状況になってしまうと、合格が難しくなってしまいます。

(2)態度やマナー、身だしなみが悪い

先に述べた集団面接に臨むにあたってもマナーや身だしなみが悪いと、その医学部合格への熱意に欠けている、またはだらしない人柄であると判断されてしまい、不合格になってしまうことが考えられます。

(3)倫理的に相応しくない回答をしてしまった

特に志望動機について言えることですが、「収入が良いから」や「ステイタスが高いから」などの倫理的にふさわしくない回答をしてしまうと、まずその時点で合格することはないと考えておきましょう。

(4)相応しい回答が思い浮かばず沈黙してしまったり泣いてしまったりする

他の受験生に、のまれてしまうという点にも似ていることですが、他の受験生と回答が被ってしまうなどの理由で相応しい回答を行うことができずに沈黙してしまったり、泣いてしまったりしては面接官に悪い印象を与えてしまいます。

臨機応変な態度を取ることや、分からない質問には正直に「分かりません」と答えることが大切です。

(5)あからさまに他の受験生を出し抜こうとする態度が見える

集団面接では、受験生の協調性も試験官が注意して見る重要なポイントです。

そのため、他の受験生をあからさまに出し抜こうとしたり、誤った回答をした他の受験生を貶めたりするような態度や発言は絶対にしないようにしましょう。

まとめ

ここまで、集団面接でよく出題される質問や、個別面接とは異なる集団面接ならではの注意すべきポイントなどについて解説してきました。

個別面接と集団面接の違いがお分かりいただけたお思います。

集団面接でも個別面接と同様に、必ず模擬面接を行い自分の持てる力を十分に発揮できるように準備しておきましょう。

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