およそ1か月間という長い期間、医学部受験生が必ず経験することになる「夏休み」。
この長い休みの期間をいかに効果的に使えるかどうかで、受験の結果が大きく変わることも多いと言われています。
この記事では、実際に医学部受験生が夏休みに何をすべきなのかということについて、そして、具体的に夏休みを受験生として乗り切るためのコツをお教えしていきたいと思います。
1.医学部受験における夏休みとは?
医学部受験に限らず、夏休みは受験の天王山という言葉はよく聞く言葉ではないでしょうか?
実際に、医学部受験における夏休みの位置づけは「天王山」であると言えます。つまり、受験の過程におけるある種の「山場」だということですね。
この1か月ほどある期間をいかに効果的に使うかによって、年度末にかけての成績の伸び具合がかなり変わってきます。そして、他の人にどれだけ差を付けられるかというのもこの
夏休み期間の大事なポイントになってきます。
ここからは、そんな医学部受験の天王山である「夏休み」の過ごし方を現役生と浪人生に分けて詳しく解説していきます。ご自分に合った内容を読み進めていって下さい。
(1)現役生の場合
まずは、医学部受験に初挑戦である「現役生」の夏休みの過ごし方について。
二つのポイントがあるので是非押さえて下さい。それが以下になります。
- 浪人生との差を縮める
- 苦手な科目をなくす
それぞれ詳しく解説していきます。
①浪人生との差を縮める
医学部受験そのものを初めて経験する現役生にとって、最大の敵は1年間余分に勉強期間を与えられている浪人生になってくるでしょう。
浪人生は学校に所属せず、予備校などでみっちりと医学部受験だけを目標にして最後まで仕上げてきます。
対して、現役の高校生である皆さんの場合は、高校などの勉強に時間を取られ思うように志望校向けの勉強や、自分のやりたい勉強ができないこともあるでしょう。したがって、現役生は時間のない中で浪人生との差をできるだけ埋められるだけの努力が求められます。
その上で、夏休みはその差を埋めるための絶好のチャンス。学校が休みになるうえ、浪人生側は夏までの勉強で疲れが出てきている可能性が高いです。したがって、夏休みにしっかりと計画を立てて自分の勉強をこなすことができれば十分に浪人生との差を埋めることができます。
そして、さらに意識すべきは自分そのものを律する努力をすること。最終的に現役生が医学部合格までもっていくには、生半可な覚悟と努力では達成し得ません。
だらけないように、さぼらないように自己コントロールをうまくできるようになることが重要です。
②苦手な科目をなくす
浪人生との差を埋めるという意味でも大切になってくるのが、「苦手科目」を減らすということ。
どれだけ試験本番で「得意科目」で点を稼ぐことができたとしても、苦手科目が足を引っ張ってしまってはプラマイゼロどころか、マイナスにさえなってしまう可能性があります。
人それぞれ苦手な科目、分野は異なると思いますが、その苦手をできるだけまとまった時間が取れるこの夏休みの期間中に克服しておくことをおすすめします。
(2)浪人生の場合
次に、医学部受験に1回以上苦い思い出があるはずの、「浪人生」の夏休みの過ごし方について。
こちらも二つのポイントがあるので是非押さえるようにしてください。
それが以下になります。
- 他の浪人生や現役生に差を付けられないようにする
- 得意科目を伸ばす
それぞれ詳しく解説していきます。
①他の浪人生や現役生に差を付けられないようにする
医学部受験を少なくとも一回は経験している浪人生にとって、最大の敵は「慢心」になってきます。
特に、初めての医学部受験で合格には至らなかったものの、ある程度の手ごたえを感じていた人の場合はその傾向が顕著に表れてきます。
また、たとえそうでなかったとしても受験を一回経験してから、数か月の間ノンストップで勉強をし続けてきたわけですから、かなりのストレス、そして体力の消耗を覚えていることでしょう。
しかし、どれだけ疲れている、しんどい、と言っても周りの受験生は待っていてはくれません。特に現役生はこの夏休み期間に必死で勉強してきますから、皆さん浪人生が持っているアドバンテージはすぐに追い抜かれてしまいます。
無論、無理をして勉強をしろとは言いません。時には息を抜くことも必要ですし、特に長い期間の浪人生活を効果的に過ごすためには、夏休みで勉強のリズムを一度整える必要があります。
したがって、必要最低限の勉強(毎日の計算トレーニングや英単語の暗記)を行いつつ適度に息抜きをし、疲れないように進めていくのがベターでしょう。
ただし、夏休み前の模試などで全く箸にも棒にもかからなかったという場合は、かなり危機感を持って勉強を進めていくことをおすすめします。
②得意科目を伸ばす
また、浪人生にとって苦手科目の克服も重要なのですが、より重要なのが得意科目を伸ばすことです。
理由としては、浪人生にとっての「苦手科目」は現役生に比べて伸びしろが少ないためです。
ある程度勉強しても成績が伸びない様であれば良いタイミングで見切りをつけて、しっかりと差をつけることのできる「得意科目」を伸ばしていくことをおすすめします。
2.医学部受験の夏休みを乗り切る5つのコツ
現役生、浪人生に分けて夏休みの過ごし方のポイントについて説明してきましたが、ここでは両者ともに共通する夏休みを乗りきる5つのコツについて解説していきます。
- 時間管理をしっかりとすべし
- 体調管理をしっかりとすべし
- 生活リズムを保つべし
- 勉強内容の量を把握すべし
- 得意・苦手を把握すべし
以上5つのポイントです。
それぞれ、かなり重要な事項が含まれているので、解説していきます。
(1)時間管理をしっかりとすべし
まず、夏休みを乗り切るうえで最も大切であると言っても過言ではないのが、「時間管理」。
浪人生はもちろんのこと、学校という縛りの時間が無くなってしまう現役生は特に時間管理には気を付けなければなりません。
怖いのが以下のようなケース。
①ケース1
朝から夜まで勉強するぞ、と意気込んでしまい、頑張りすぎて昼夜逆転。
②ケース2
集中して勉強するのはいいが、3時間も4時間も集中しすぎて、気が付けば体中バキバキで、体力も限界。
以上のように、勉強の時間管理がしっかりとできていないと不必要な疲れや消耗を招いてしまいます。しっかりと勉強する時間は決めておきましょう。
例えば、50分勉強したら10分休憩する。昼休みはたっぷり1時間取るなど、疲れにくい時間配分が重要です。
(2)体調管理をしっかりとすべし
これも時間管理のうちに入ってきますが、暑さの厳しい夏場は特に体調管理が重要になってきます。
特に、夏休み前半ではクーラーの当たりすぎによる風邪に、後半にかけては運動不足などによる夏バテの防止が非常に大切です。冬休み前になれば、受験直前期に入ってきますから、否が応でも体調管理は必須項目になってきます。
是非、夏休みのうちに体調管理は自分でできるように慣れておきましょう。
(3)生活リズムを保つべし
そんな体調管理の中でも特に重要なのが「生活リズム」の確保です。
生物選択の方の場合はご存知かもしれませんが、人間には「概日リズム」というものが備わっています。簡単に言えば、リズムよく生活できる仕組みのことなのですが、これは太陽光に当たらなければ正常に働かなくなってしまいます。
毎日、朝日を浴びる、そして同じ時間に起きて朝ごはんを食べるというルーティンを意識して生活するようにしましょう。
(4)勉強内容の量を把握すべし
夏休みを通してやるべきこと、やらないでいいことを把握して、全体的な勉強量を把握しましょう。
特に受験生が陥りがちなのが、「夏休み期間中に○○の参考書を終わらせる」と言ったのはいいものの、あまりにも量が多すぎてとてもじゃないが夏休み中に終わらないというパターンです。
しっかりと全体像を把握して、現実的な目標を立てるようにしましょう。
(5)得意・苦手を把握すべし
夏休みの「過ごし方」でも解説しましたが、何をするにもやはり得意不得意の把握は重要です。
特に期間が長いとは言え、限られた時間の中でできる限り合格可能性を高めたいと思うなら、しっかりと両者とも把握しておきましょう。
例えば、生物は得意だけど、△△の範囲がどうしても弱いなとか、数学のこの公式がどうしても覚えづらいなどです。
苦手なものは重点的に思い出すようにして、得意なものは毎日やるようにすると効果的な学習が見込めます。
3.どうやって5つのコツを達成するか?
ここまで、夏休みを過ごす5つのコツについて解説してきました。
どれもこれも非常に重要なコツになるのですが、「言うは易し、行うは難し。」
ではどうやったら達成できるのでしょうか?その方法を見ていきましょう。
(1)自力で頑張る
まずは、自力で頑張ってみましょう。
5つのコツをメモに取るか、頭で覚えるようにして、常に忘れないようにしてください。
毎日の生活の一部になるように取り組めば、案外難しいことも簡単に達成できてしまうものです。
(2)友人・親を頼る
もしも一人で達成するのが難しいなと思った場合は、遠慮なく周りの環境を頼りましょう。
信頼できるご両親でも良いですし、気の置けない仲間に手伝いを求めるのでもOKです。
ただし、注意してほしいのは最終的に医学部合格を達成するのは受験生本人なのですから、周りにおんぶに抱っこでは、意味がありません。
あくまで、自分のやるべきことを補助してもらう形が望ましいです。
(3)医学部専門予備校を頼る
そして、自力、他力を頼っても難しいな、もしくはもっといろんな意見を聞きたいな、と思った場合はプロフェッショナルを頼ってみましょう。
例えば、大手予備校の勉強アドバイザーや医学部専門予備校の専任講師です。
こういったプロの意見はかなり医学部受験の真髄をついたものが多く、確実に夏休みを乗り切るのに役立ちます。
特に、医学部専門予備校では、医学部志望者が夏休みに陥りがちなスランプなどについて熟知していることが多いので、悩んだら相談に行ってみることをおすすめします。
まとめ
最後になりますが、医学部受験の最大の山場「天王山」は夏休みです。
この期間をしっかりと乗り切ることができるか、そして有効活用できるかによって今後の成長度合いがかなり変わってきます。
是非、この記事を隅々まで読んでいただいて、有益な夏休みをお過ごしください。