受験勉強を行っていくうちに、どうしても勉強に集中できないときや集中力が長続きしないときなどがあると思います。
そのようなときは、どうすれば集中力を取り戻すことができるのでしょうか。
ここでは、主に勉強に集中できなくなる原因とその解決法について解説していきます。
1.集中できない理由にはどのようなものがあるのか
受験勉強に集中できなくなる原因には、どのようなものがあるのでしょうか。
ここでは、受験勉強に対する集中力を妨げる原因となる物事について解説していきます。
(1)集中を妨げるものが目の届く範囲にある
スマートフォンやタブレット、漫画本、ゲームやテレビなど、室内には受験勉強への集中を妨げるものがたくさんあります。
これらのものが目の届く範囲にあると、「ちょっとだけ」などと思いながら、つい手に取ってしまいがちです。
結果として、受験勉強が中断されてしまうことになってしまうことも少なくありません。
このように、受験勉強の妨げになるような物はすぐに手に取れるような場所に置かず、勉強する部屋以外の場所に置いたり、親に預けたりといった方法で目の届かない範囲に保管しておくようにしましょう。
(2)苦手な科目が解けないために集中力が続かない
苦手な科目の問題が解けずに、だらだらとその問題に取り組んでいるうちに集中力が途切れてしまうこともあります。
そのような場合には、いったんその苦手科目の問題から離れて得意科目の問題を解いてみましょう。
その後、もう一度苦手科目の問題に取り組むことで、もう一度集中力を取り戻すことができます。
このように苦手科目の問題と得意科目の問題を交互に解いていき、徐々に苦手科目に掛ける時間を長くしていくことで、苦手科目に取り組む場合でも長い時間に渡って集中力を維持できるようになります。
(3)睡眠不足が続いている
毎日夜遅くまで受験勉強を行っていると、どうしても睡眠不足になってしまうことも考えられます。
そのような場合には、思い切って休息をとるようにしましょう。
しかし、眠りたいだけ眠ってしまっては、受験勉強の時間確保に支障をきたすことも考えられます。
このようなときにおすすめの方法は、コーヒーを飲んでから仮眠をとることです。
コーヒーに含まれるカフェインには眠気を抑える効果がありますが、その効果が出るまでに15分程度の時間がかかります。
そのため、コーヒーを飲んで15分程度横になり心身を休めることで、すっきりと目覚めることができます。
(4)空腹感
集中して勉強を続けていると、体を動かしていなくても体力を使い、その結果空腹感を感じてしまうようになります。
この空腹感も、受験勉強への集中を妨げる原因となります。
2.集中力を高めるために環境を整える
集中力を高めるには、受験勉強を行う環境を整える必要があります。
ここではその方法について解説していきます。
(1)勉強に必要なものを手に取りやすいよう整理整頓しておく
受験勉強をスムーズに開始し、集中状態に入りやすくするため必要な教材や筆記用具を机の上に準備しておきましょう。
前回の受験勉強が終わった時点で参考書や教科書、ノート、筆記用具がきちんと机の上に整理して置かれていれば、次に受験勉強を始めるときにもすぐに勉強を始めることができます。
また、ベッドと机を近づけて起きたら自動的に勉強を始められるよう家具の配置を工夫することも大切です。
(2)勉強する場所を決めておく
勉強できる場所は自宅や図書館などいろいろとありますが、その中でも自宅の自分の部屋の机やリビングのテーブルなど、勉強する場所を一か所に決めておくのも良い方法です。
一節によると人間の脳は、行動と場所をセットで記憶すると言われています。
そのため勉強する場所を決めておけば、その場所に行ったときに脳が自然と勉強モードになります。
逆に勉強する場所を決めていても、その場所でスマートフォンを触っていたり、おやつを食べたりしていると、脳がその場所をスマートフォンやおやつの場所として記憶してしまうため、うまく勉強モードに入ることができなくなってしまいます。
一定の場所を最低でも4日間以上勉強場所として利用することで、その場所を「勉強する場所」として脳に記憶させることができます。
勉強する場所を決めたら、まずは4日間その場所で勉強に集中してみましょう。
(3)程よい緊張感を維持できる格好で勉強する
受験勉強をする際には、リラックスした状態で行うことも重要です。
しかし、リラックスしすぎると眠気に襲われたり、休憩をとる頻度が増えすぎてしまったりして受験勉強の妨げになることも考えられます。
このような状態を避けるためには、ある程度の緊張感をもって受験勉強を行う必要があります。
そのためにはパジャマや部屋着ではなく、あえて学校の制服を着たまま勉強することも効果的な方法の一つです。
それ以外にも、机の高さを工夫して立ったまま勉強ができるようにしたり、いすの代わりにバランスボールを利用したりするなどの方法も、実際に外資系の企業で取り入れられている方法で効果的です。
このように勉強するときの服装や体勢を工夫して、適度な緊張感をもって受験勉強を行うようにしましょう。
(4)勉強を始める前のルーティンを決めておく
野球選手のイチローがバッターボックスに立った際に、独特の動きをするのを見たことがある人も多いと思います。
イチローはバッターボックスに立った際にあの動きをすることで、集中力のスイッチを入れていると言われています。
これを「ルーティン」と言います。
受験勉強を始める前に、この「ルーティン」を行うことで受験勉強を始めるスイッチを入れることができるようになります。
この「ルーティン」の方法は人それぞれでかまわないため、顔を洗う、コーヒーを淹れて飲むなど自分なりの方法をルーティンとし、受験勉強を行うための集中力のスイッチとして活用しましょう。
(5)決まった時間勉強を続け、定期的に休憩時間を挟む
人間の集中力には限界があります。
そのため何時間もぶっ続けで受験勉強を行っても、集中力が続かず、かえって効率が悪くなってしまいます。集中力の持続時間は人によって異なりますが、おおむね1時間から2時間程度と言われています。
集中力が持続する間は受験勉強を続け、適当な時間が過ぎたら必ず休憩を入れて気分を変えるようにしましょう。
そのためには、自分の集中力がどの程度続いて、どの程度の休憩時間を取れば気分をリフレッシュすることができるかをきちんと把握しておくことが重要です。
適当な感覚で休憩時間を挟むことも、集中力を維持するためにとても重要です。
(6)環境音楽を聴きながら勉強する
受験勉強を行う際には、しんと静まり返った環境よりも70デシベル程度の環境音が聞こえているほうがパフォーマンスは高まると言われています。
そのため、何か音楽を流しながら勉強をするのもおススメの方法です。しかし、歌詞が頭に入ってきやすい音楽は、かえって受験勉強の邪魔になってしまうことが考えられます。
そのため、自然音や環境音楽など空気のように漂うような音楽を流すことをお勧めします。
このような音楽は、集中効果とリラックス効果を兼ね備えているため、受験勉強のBGMとしては最適であるといえます。
3.集中力が途切れたらどうすれば良いのか
どんなに集中力を高める工夫をしていても、集中力が途切れてしまうことがあります。
そのようなときは、どう対処すればよいのでしょうか。
ここでは、集中力が途切れた際の対処法について解説していきます。
(1)時間を決めて脳と心を休める
集中力が途切れた状態で無理して受験勉強を続けても、頭に内容が入ってこずに非常に効率が悪い状態になってしまいます。
そのような場合は、休憩を取って心と体を休めるようにしましょう。
その時に休憩の時間をしっかりと決めておくことが大切です。
時間を決めずに休憩を取ってしまうと、そのままだらだらと休み続け、結果として受験勉強の時間を削ってしまう恐れがあるからです。
時間を決めて、その間にしっかりと休息をとることで集中力は回復します。
(2)ラジオ体操など軽い運動を行う
長時間机に向かって同じ体勢を保ち続けていると、疲れがたまり集中力も落ちてきてしまいます。
そのような理由で集中力が落ちてきていると感じたら、机を離れて軽い運動を行うことをお勧めします。
ラジオ体操やスクワットなどで体を動かすことで、血流が改善されて集中力も戻ってきます。
(3)間食を摂る
受験勉強で長い時間頭を使っていると、エネルギーを消費するため空腹を感じて集中力が途切れてしまうことがあります。
そのような場合には、間食を摂り、受験勉強のためのエネルギーを補給するようにしましょう。
そのようなときに間食に向いているのは、おにぎりやイモ類、フルーツなど砂糖が入っていないものがおススメです。
特に炭水化物は腹持ちが良いため、長時間空腹を抑えてくれます。
この時に注意しなければならないのは、満腹になるまで食べないことです。満腹になるまで食べてしまうと眠気に襲われてしまうため注意しましょう。
あくまで腹六分目程度で抑えておくことが、間食を摂る際のポイントです。
まとめ
ここまで、集中できない理由、集中力を高めるための方法、集中力が途切れた時の対処法について解説してきました。
受験勉強を行う際に、どのようにして集中力を高め、維持し、回復するべきかについてお分かりいただけたと思います。
集中力をコントロールするためには、ある程度自分で意識して自分の行動もコントロールする必要があるという点が重要なってきます。
ここで解説した内容を活用して、集中力を発揮し、維持し、時には回復させて、受験勉強に役立てるようにしましょう。